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5月16日(水)M「改訂版 軍鶏307」劇団桟敷童子

作:サジキドウジ、演出:東憲司、すみだパークスタジオ。
 このスタジオは錦糸町から歩くのだが、押上げに近い。スタジオに近ずくと目の前に聳えるスカイツリーがぐんぐん迫ってくる・・。
 この芝居は名作である。戦中、戦後の博多が舞台。戦中、一介の主婦だが、竹槍訓練では表彰されたが、一人息子が召集されるのを避けるため、息子に醤油を多量に飲ませる、鼓膜を破る、性病に罹らせる、など徴兵忌避を息子に強要するが、ボクはお母さんの子だけではなく、日本国の息子です・・”と拒否する。母は町の班長さんに体まで許して、息子の召集を免れようとするが、結局、召集され、そして戦死する・・。戦後、舞台はセイタカアワダチソウが群生する庭あがる病院、この病院は満州でロシア兵に、この土地でアメリカ兵や日本のゴロツキに強姦された女たちの堕胎を手がける病院で、当時は純然たる法律違反だが、厚生省が仕方なく見逃している。この病院は番地の307と呼ばれている・・。息子の戦死で精神に変調をきたし、帰るはずもない息子の帰りを迎えに、毎日博多港にでかけて、当地で気の毒な女性を呼ぶいいかたの”メンドリさん”と呼ばれている。このメンドリさんがにっくきアメリカ兵に竹ざおで着きかかっていざこざを起こし、307に収容された。地元のヤクザ楢崎組は不良アメリカ兵とつるんで米軍の物資の横流しをしている。メンドリさんに襲われたアメリカ兵が組みにメンドリさんを病院から拉致してこいといわれ、チンピラが307に行くが、院長に拒否されて・・、ここから、楢崎組と病院との攻防戦が始まり、芝居は盛り上がってゆく・・。東が描く入院患者や看護婦などや、ヤクムザの面々は戦後の日本人を生き生きと髣髴させ、日本の復興までのがんばりだという気分がみなぎっていて・・。メンドリさんを演じる板垣桃子が圧巻で、他の桟敷童子の役者陣のアンサンンブルも見事で、戦中、戦後の博多の民衆の生きざまが息吹いた、サジキドウジの完成度が高すぎるぐらいの舞台だった。
・5時ごろ神保町の銀漢亭にゆき、麦焼酎をのむ・・。伊藤伊那男先生と壇一雄の「暖流クッキング」の話をする・・。坂西敦子さんがいらした、2階で句会があるそうだ・・。

# by engekibukuro | 2012-05-17 09:47 | Comments(0) 

5月15日(火)S「ハンドダウンキッチン」パルコ劇場

作・演出:蓬莱竜太。
 東京から車で3時間かかるような場所のフレンチレストランの話。このレストラン「山猫」のオーナーシェフ(仲村トオル)は業界でもしられたカリスマシェフで、レストランランキングでも星の数が上位でのここの独創的な料理を目当てで東京から客がやってくるのだ・・。ある日この店の評判に惹かれて、東京の一流フレンチレストランのコック(柄本佑)がオーナーシェフの姉のメートル・デ・テル(YOU)に引抜かれて調理場入りしたのだった・・。
 だがこの店の独創的な料理というものの中身は、その作られ方の内実は、料理の常識をからまったく外れたとほうもないもので、東京のレストランで修業したことなど、この店ではまるで意に介さない・・。そしてなんとしたことか、このオーナーシェフは右手が麻痺していて、包丁もにぎればい、ほかのスタッフもほとんど素人で、街で拾った似顔絵描きの勝手な妄想的な料理の絵をもとにシェフが按配して、つくりだす・・。その料理をネットにくわしいスタッフが巧妙こ宣伝して、ランキングの星も手を回して買ったもの・・。それでも客がきて繁盛する、シェフが”なにがうまいかまずいかなど、など決まりがない”と豪語する・・。蓬莱は、料理の評判、そうじてメデイアからの情報の不確かさ、イントキくささを、このレストランを舞台に明かしてゆく・・、新入りのまっとうなコックとシェフの葛藤が芝居の中心だが、その推移の展開、スタッフや料理ジャーナリストの人物造形など蓬莱の天与の才能からの堂に入ったもので、蓬莱の独特の劇世界、ビター・ウエルメイドの芝居として舞台の緊張は途切れない・・。面白さは保証するが、ただ業界の内幕ものとすれすれで、ラスト、姉と弟の対峙の予告で終わるのが劇を閉じてしまうようで腑に落ちないなどはある、知らない世界の興味津々の芝居だっ・・。
▼埼玉県立近代美術館で「草間弥生 永遠の永遠の永遠」展を見た。82歳でこの豊かな画業を、と心底から感服した・・。赤、青、ピンク、黄といった鮮やかな色彩で、草間マークの水玉だけではなく、ギザギザくねくねしたアメーバのような有機形や目玉、人の横顔などが、描き出される、2009年から手がけた「わが永遠の魂」の約50点が見どころで凄い・・。そのささまざまなエレメントの画面構成の天与の構成美は天才としかいいようがない。。、あとはあの巨大なカボチャの彫刻・・。

# by engekibukuro | 2012-05-16 10:37 | Comments(0) 

5月14日(月)











▼夢野久作の父、其日庵 杉山茂丸著「百魔」(書肆心水)を読み始める。大判800余ページ。擬古文・・。ドトールとコーヒータイムを梯子して190ページ・・。SF作家星新一の実父、星製薬の創始者星一のアメリカ留学の苦学ぶりの話が面白い・・。

# by engekibukuro | 2012-05-15 07:21 | Comments(0) 

5月13日(日)





▼日経の内田さんから贈っていただいた、内田さんが担当した蜷川幸雄「私の履歴書」を読んだ。大概のことはいままで蜷川さんあがあちこちに書いたもので知っていたが、29回の連載でまとまった流れ、蜷川さんの生涯が通観できた。やはり出発点が新劇でも特殊な、木村功、岡田英次というスターが主導した青年俳優クラブ(青俳)という一種のタレント集団出身だということが、現在のありかた、成功の素だという気がする。29回目の終章、”70代にさしかかって「パンクじじいになる」と放言した。若い頃影響を受けた芸術家たちが年をとって、人生への諦観とか家族の話とか、小さな物語を表現しているのを見ると、どうしても裏切られた気持ちになる。自分の行く道は現代を失踪する演劇だ。この連載の間も、ぼくは劇場に通って稽古をしてる。これまでの自分を壊し、まだ見ぬ夢の劇場へ向って、瓦礫の荒野を駆けていきたい。夢の劇場でお会いしましょう”
・デイヴッド・ゴードン「二流小説家」(早川ポケットミステリー)読了。近頃のミステリーはあっやこしくて、凝りすぎだね・・。その上、このミステリーはペダンチックで、ミステリーとしてはフェアじゃないところもあって・・。だが処女作だから、力が入りすぎたのだろう、けっしてつまらないワケではない・・、が、ひたすらチャンドラーやシムノンが懐かしい・・。
・ヴィクトリアマイルカップでドナウブルーに騎乗したオーストラリアのウイリアムズ騎手はすごいジョッキーだ・。獲らせてもらったからではなく、ほかのレースでも素晴らしい騎乗振りだった・・。

# by engekibukuro | 2012-05-14 08:01 | Comments(0) 

5月12日(土)M「THE BEE」(作・演出:野田秀樹)

NODA・MAP、水天宮ピット。
 2007年初演の英国版、日本版と今年のキャサリン・ハンターの英国版を観て、今回の日本版で4回観たことになる。今回のキャストは野田の井戸と近藤良平は初演とおなじだが、犯人の妻のストリッパーが宮沢りえ、刑事役その他の池田成志が初参加・・。このテクストがどれだけ多様に変化し、バリエーションができるか、この舞台を観て驚く・・。キャサリン・ハンターの男役の井戸も素晴らしかったが、この舞台も凄かった・・。野田はパンフで”演劇にとって大事なものはテーマではなく、小道具である”と明言する・・。”復讐の連鎖”だとかのテーマがどうのというのは、頭でっかちなだけでと・・。”復讐の連鎖”などと考え小賢しく舞台を追っていても、子供のゆびを折る、小道具の鉛筆の音を聴く戦慄のほうが優先する・・。こんかいの舞台での急所は、普通の善良なサラリーマンが、今まで自分を支えてきた、ふつうの妻子と暮らす幸せな家庭が、ひとたび破壊される(脱獄犯に妻子が人質にとられて妻をレイプされて・・)と、自分も犯人の妻子に自分でも見当もつかない常軌をいっした残酷な人間に急変するかの、野田の鬼気迫る演技・・。その恐ろしさで犯人の妻もセックスを受け入れ、食事をつくり、子供も指を折られる・・これが日常化されてゆゆく・・。装置は大きな和紙だけで、この和紙が破られたり、覆いかぶさったり・・。この効果も素晴らしかったが、何役もこなす池田、近藤、壊される美しさが際立つ宮沢、めまぐるしいが、破局に向かう小刻みな場面の変化の律動感・・それら一切が演劇の芸術性といものの存在を確認させる・・。それにもまして狂気のサラリーマン井戸の野田の演技の奥底から、野田の狂気に近い演劇魂、血の一滴まで潜んでいる芝居命の魂をまざまざと感じるのだ・・。
・連休で先週は休みだったから2週間ぶりの泡盛、おもろ、カップルも中川君もこなかったが、有田芳生さんが久しぶりに来ていた・・。有田さんは国会には地下鉄通いだが、テレビでみる政治家の黒塗りの車は、”院車”という、国会議員なら誰でも使える運転手つきの公用車だと・・。明日は娘さんと平成中村坐にゆくそうだ・・。

# by engekibukuro | 2012-05-13 10:17 | Comments(0) 

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