12月3日(土)M「晩歌」トム・プロジェクト

作:古川健、演出:日澤雄介、東京芸術劇場シアターイースト
”福島第一原発の地元、大熊町からの避難民が多く住む会津若松市。そこに避難民を中心とした小さな短歌サークルがあった。サークルメンバーはお互いの短歌を通して心を寄せ合い、寄る辺ない気持ちを慰めあっていた。ある日、届いた一通のはがきには、原発を詠んだ数種の短歌が刻まれていた。差出人は「ホームレス」。会員たちは驚きとともに、謎の歌人の正体に興味をもつ。”
 この高橋長英が演じるホームレスは、大熊町の原発の当直長だった。大熊町から避難してきた住民は東電からの見舞金でパチンコにのめりこんだりして、避難先では評判がよくない。そういう避難民のなかから、このホームレスの老人は、津波で妻を失った・・。大熊町は、原発ができるまでは、出稼ぎが不可欠な貧しい町だった。原発がきて、仕事も町ででき、住民も増えた。原発に反対していたのは共産党だけだった。それが、東日本大地震で、そういう生活が一切奪われ、町を追い出され、故郷の町は無人になり、その故郷へ帰る見通しもたたない。この芝居は、短歌サークルのリーダー安田成美が演じる高山佳織とホームレスの交流の物語だが、すべてに絶望して、お迎えを待つだけだと語るホームレスの短歌から、貴重な”大熊の言葉”を知らされる。大きな惨劇が予想できる原発、しかし、それがなければ豊かな生活ができないということに反対できない、そういう矛盾は、いま日本で原発再開の動きにもあり、いまだ解決できていない・・。そういうごく普通の生活者にもやってきている矛盾を、ホームレスの老人は、自分が原発の上司だっただけに心の底から感じたのだ。その気持ちが短歌に表現され、今の日本人に降りかかっている矛盾の言葉”大熊の言葉”を心底から生み出したのだ・・。あらためて、原発の問題の困難と底深さをシンプルに感じさせてくれた舞台だった。
・おもろ。中川君、常連がかなり皆、亡くなって天国でみんなで飲んでいるかなと・・・。淋しくなった・・。
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# by engekibukuro | 2016-12-04 08:08 | Comments(0)  

12月3日(土)M「晩歌」トム・プロジェクト

作:古川健、演出:日澤雄介、東京芸術劇場シアターイースト
”福島第一原発の地元、大熊町からの避難民が多く住む会津若松市。そこに避難民を中心とした小さな短歌サークルがあった。サークルメンバーはお互いの短歌を通して心を寄せ合い、寄る辺ない気持ちを慰めあっていた。ある日、届いた一通のはがきには、原発を詠んだ数種の短歌が刻まれていた。差出人は「ホームレス」。会員たちは驚きとともに、謎の歌人の正体に興味をもつ。”
 この高橋長英が演じるホームレスは、大熊町の原発の当直長だった。大熊町から避難してきた住民は東電からの見舞金でパチンコにのめりこんだりして、避難先では評判がよくない。そういう避難民のなかから、このホームレスの老人は、津波で妻を失った・・。大熊町は、原発ができるまでは、出稼ぎが不可欠な貧しい町だった。原発がきて、仕事も町ででき、住民も増えた。原発に反対していたのは共産党だけだった。それが、東日本大地震で、そういう生活が一切奪われ、町を追い出され、故郷の町は無人になり、その故郷へ帰る見通しもたたない。この芝居は、短歌サークルのリーダー安田成美が演じる高山佳織とホームレスの交流の物語だが、すべてに絶望して、お迎えを待つだけだと語るホームレスの短歌から、貴重な”大熊の言葉”を知らされる。大きな惨劇が予想できる原発、しかし、それがなければ豊かな生活ができないということに反対できない、そういう矛盾は、いま日本で原発再開の動きにもあり、いまだ解決できていない・・。そういうごく普通の生活者にもやってきている矛盾を、ホームレスの老人は、自分が原発の上司だっただけに心の底から感じたのだ。その気持ちが短歌に表現され、今の日本人に降りかかっている矛盾の言葉”大熊の言葉”を心底から生み出したのだ・・。あらためて、原発の問題の困難と底深さをシンプルに感じさせてくれた舞台だった。
・おもろ。中川君、常連がかなり皆、亡くなって天国でみんなで飲んでいるかなと・・・。淋しくなった・・。
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# by engekibukuro | 2016-12-04 08:08 | Comments(0)  

12月2日(金)チェルフイッチュ

「あなたが彼女にしてあげられることは何もない」作・演出:岡田利規、出演:稲継美保
F/T参加作品、池袋南口公園内Racines FARM to PARK
 ”このパフォーマンスは、都市の中に建つ営業中のコーヒーショップの店内で行われていることが想定されている。店内には普通に客がいてそれぞれおしゃべり、液晶画面、読書などに興じている。”
そのコーヒーショップのテーブルを店外の公園野外に映像画面としてセットして、客は寒空の夜空の下の椅子に座って観る。テーブルの上には黒い液体が入っている誰かの手でもったコップが二つ出ていて、ナレーターがと、天地開闢をもたらした一族の散文詩のような言葉を語る。なんともフシギな意想外の野外パフォーマンスだった。
・お昼に、目白小学校の同級生4人が本郷の田奈部という蕎麦屋に集まって、例年の「ソバを食う会」去年までは5人だったが野間君が脳腫瘍で今年亡くなり4人になってしまった。我妻、安岡、林、林君は心臓が悪くペースメーカーを入れているが、元水泳連盟の理事で、今年80歳の区分の水泳大会で日本記録を出したそうだ。咽喉癌で手術して腹から声を出している我妻君は毎日漱石の小説を朗読している・・。元博報堂のコピーライターの安岡君は近頃話題の電通などの広告業の話を、小ゐ時間楽しく飲んで食った。林君は酒が一滴も飲めないのに楽しく付き合う・・。
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# by engekibukuro | 2016-12-03 09:59 | Comments(0)  

12月1日(木)MS「ヘンリー四世」

第一部「混沌」、第二部「戴冠」 新国立劇場
作:W・シェイクスピア、翻訳:小田島雄志、演出:鵜山仁
 素晴らしい舞台だった。島次郎の舞台奥を遮る高い桟橋をの美術のバックに展開された劇は、蜷川幸雄なきあと、シェイクスピア自体の面白さを存分に見せて、鵜山は現在では日本の最高の演出家だと思わせた。なによりキャステイングがいい。日本にも、こんなに優秀な俳優が大勢いるのだと確認させてくれた。このヘンリー四世の嫡子ハル王子と強欲奔放の庶民の代表ジョン・フォールスタッフの関係を軸にする、この物語は、まずフォールスタッフを演じた佐藤B作の名演技と言って決して過言ではない演技で、この舞台の成功のカギを握って、対抗するハル王子の浦井健治もよく拮抗し得ていた。ほかに列挙すれば全員になってしまうぐらい、演技の全体のレベルが高く、演出もどんな小さな見せ場も人物の行動もゆるがせにしない緻密なもので、なかではラサール石井と綾田俊樹にB作のフォールスタッフも加わったコメデイ・リリーフも抜群で、ヘンリー・パーシーの岡本健一も素晴らしく、なかでも個人的に長年の知己である下総源太郎の存在感、有薗芳記の絶妙な好演を観て心から嬉しかった。書きたいことは山ほどあるが、シェイクスピアの醒めきった歴史観、人間観のピークであるハル王子が父の死で戴冠してヘンリー五世になり、長年の腐れ縁のフォールスタッフを無残に放逐するシーンの冷酷を感じるまで、鵜山はシェイクスピアの深さ、面白さを、一部、二部の6時間を超える舞台で満喫させてくれたのだ。

着公演着 、
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# by engekibukuro | 2016-12-02 06:45 | Comments(0)  

11月30日(水)「水無月の云々」上野ストアハウス

作・演出:中津留章仁 Lovers
 トラッシュマスターズの分かて育成ユニット公演
・ストアハウスコレクション:日韓演劇週間の日本側公演。
 この芝居は再演・・。伯父を殺した殺人者を出した家族の話。その殺人の余波が、その家族を襲う話だが、そのこと自体より、複雑な大勢の家族の舞台の出はけ、劇の展開に中津留の天性の才能を感じる芝居。家族間の軋轢の、人々の台詞の暴言、卑語、場外れの観念語は聞いてきて違和感や聞きつらさを感じるが、考えてみれば、観ている我々の側の家族観も、そうは違わないと思えてきて、この芝居が殺人者を出した家族というシチエーションを敷いて、家族というものの原風景を描いた作品として、十分説得力がある舞台だと思った。若手も懸命に演じて頼もしかった。
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# by engekibukuro | 2016-12-01 09:48 | Comments(0)