11月20日(月)第四十九回 俳句を作る演劇人の会

於・神保町銀漢亭 今回の兼題は「山茶花」と「勤労感謝の日」
毎回五句出しで、そのうち一句を特選とする。
 私の句は、「勤労感謝の日トンカツ特大で」を三人の方に、「勤労感謝の日トンカツ特大で」を二人の方に採っていただいた。それと「勤労の語感になじめず日を過ごす」を前回から参加されている、谷岡さんと東工大の同僚で化学の先生の三上農耕先生に採っていただいた。「農耕」の俳号は、祖父から三代にわたって受け継がれてきた俳号とのこと。
・今月24日は、私の八十一歳の誕生日、三上先生にオーストラリアの白ワインを、大西酔馬さんにヌーボーボージョレをいただき、参加者みんなで祝ってくださった。この会も5年目に入り、一回も休まなかったのは私だけということになったが、俳句は一向に上達しない。顧問の俳句結社銀漢主宰の伊藤伊那男先生の、毎回の講評に取り上げられたことはない。これからも精進しなければ・・・。

[PR]

# by engekibukuro | 2017-11-21 09:43 | Comments(0)  

11月19日(日)ゲンロン 5 東浩紀編 特集「幽霊的身体」

鈴木忠士の利賀村にそうそうさたるメンバーが集まっての、セミナーの記録が主体だが、それとは別の鴻英良の「虚体、死体、そして<外へ>-二十一世紀のダンスの理念に向けて」が妙味深い論考だった。鴻は写真家細江英公の尾大野一雄の2010年6月1日の大野の死に際しての弔辞「大野一雄先生へのお別れのことば」からの一節を引用している。おれは大野が病床の埴谷雄高を訪れたときの記録で、埴谷は病床で「死霊」最終章の執筆の最中だったのだが、「そのとき枕元で大野一雄さんが即興の舞踏を捧げるのだは、舞踏のあと、埴谷は大野さんあなたは雄もやったことのない未来に向かって第一歩を踏み出しています”と話されたことがことがとても印象的でした。」この引用から、大野と埴谷の交流を初めて知った。鴻は、埴谷の「死霊」と大野の舞踊の関係をより深く究明してゆくのだが、鴻自身の大野の舞踏から受けた谷底へ沈んゆくような眩暈体験を語り、さらに知的な解明がふかまるのだが、この知情意のバランスがとれた舞台批評は素晴らしいもので、本当に読みごたえがあった。それと木下歌舞伎の木ノ下裕一の「幽霊としての歌舞伎」も面白かった。
・今日のB1競馬、マイルチャンピオンカップでミルコ・デム-ロ騎手の奮闘で、寺山修司の影響で始めた競馬で、はじめて少しだが年間にプラスになった。

[PR]

# by engekibukuro | 2017-11-20 15:49 | Comments(0)  

11月18日(土)M「THE DEAL」シアター711

作:マッシュー・ウイッテン、翻訳:名和由里、演出:松本祐子、プロデューサー:綿貫凜、オフイスコットーネプロデュース
 アメリカのFBIのおとり捜査を芝居に仕立てた舞台だ。おとり捜査とは、政治家の汚職事件、麻薬取引、ギャングやマフイアに関わる事件など、通常の捜査では証拠を押さえることが困難な事件に使用される手法だ。おとり捜査官あっちは、犯罪者の懐に潜り込み、仲間のフリをして犯罪の証拠を押さえる。もちろん、この操作には危険が伴う。正体がバレたら命の保証はない。さらにたとえ始めは演技であっても、犯罪者に同調し続けることによって、犯罪者に身を落としてしまうものもいる。この芝居はFBIの二人の捜査官がある州の汚職事件を、おとり捜査によって解明してゆく芝居だ。実際に犯罪者に接触するのは、二人の内の下部の担当で、上司は彼の犯罪者との接触の模様の録音をテープに採っている・・。この事件は汚職当事者の部下をおとりにして、上部に接触しようとしたのだが、さいごには下部のものの犯罪を成立させただけで、上部の犯罪当事者には届かなかった。つまりは、捜査は下部のものを犠牲にしただけで失敗したのだ。接触した捜査官も責任を採って辞職する。FBIの捜査官を小須田康人と田中壮太郎、汚職側は福井貴一と金井義信、この4人が松本の変転自在の演出でそれぞれの持ち味を発揮した芝居になった。綿貫のキャステイチングが成功した舞台だった。

[PR]

# by engekibukuro | 2017-11-19 09:43 | Comments(0)  

11月17日(金)M「骨と肉」Space雑遊

作・演出:中村暢明、JACROW#23
一昨年、マスコミを賑わした大塚家具の経営権争い、それは経営方針の相違、それを支える世の中への見方による、壮絶な父娘の親子喧嘩だった。この芝居は、その喧嘩にまつわる会社の内部を、どちらにつくか迷っている重役たち、それらの人物を等身大に描いて、観ている我々に当事者意識をもたせるような、一種の記録演劇だった。芝居のシーンは主に経営方針を決める会議の場面だ。ここに描かれている、各自のメンタリテイは日本人の類型を確かに描いていて、身近に感じて真に迫ってくる力があった。狭い劇場が、大塚家具の会社の内部であると感じさせるような劇が出来上がっていた。役者たちもそれにふさわしい、いつも見かける日本人の状態を場面に即して的確に演じていた。

[PR]

# by engekibukuro | 2017-11-18 10:13 | Comments(0)  

11月16日(木)石牟礼道子著「花びら供養」(平凡社)

この本は、石牟礼の水俣事件や、自分の幼少時の事などを書いたエッセー集。第一部・渚が18、第二部・天が10、第三部・夢が12の文章が集められいる。彼女の幼少時の晩御飯の風景、この家では猫たちは家族の一員であった。その猫のトラ猫のミーが、晩御飯のおかずの鰯の一夜づけを盲目の祖母の皿からパクリと口に咥えた。”その瞬間、父の手が延びてミーの首筋をつかみ、鼻を畳に擦りつけた。凄みを帯びた声で、「こらあーっ、お前やその卑しい盗人腰は何か!食わせんでばし(食わせずにでも)おるか。お前が猫じゃからというて、差別したことがあるか、何ちゅう、卑しか根性の猫ぞ、めくらさまとあなどって手を出したな。その魚はお前にくれてやる。たった今、その魚咥えて、この家からでてゆけ」父はそういってミーをつき放した。ドスの利いた声だった。私が六つ、弟は五つだったか、気迫に圧倒されて座りなおした。”
 こういう珠玉の短文が集められている本だ・・・。

[PR]

# by engekibukuro | 2017-11-17 07:23 | Comments(0)