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12月27日M★「泣かないで」S★★「兵士の物語」

★音楽座ミュージカル(原作:遠藤周作「わたしが・棄てた・女」、脚本・演出:ワームホールプロジェクト、東京藝術劇場。音楽座の代表的レパートリーの一つ。時代は終戦直後の東京。田舎出の純真な女工が、貧乏大学生に関係をもたされ、大学生はその娘を棄てる。娘はハンセン病の疑いで富士の麓の病院へ行く。精密検査の結果、誤診だと判明され、救われるが、娘はハンセン病の患者たちの生活、介護するシスターの献身に胸を打たれ、病院に残って働き出す。一方、大学生は出世して上司の姪と結婚して幸せな暮らしに・・。その双方の物語が交互に語られる。娘はある大雪の日に、交通事故で死ぬ。カトリック作家遠藤(客席に花を供えられた遠藤の写真が飾られていた)の聖女物語だが、音楽座独特の生活感、真実感が籠もったミュージカルで、幕が下りると客席に感動の波が広がった。
★★原作:アファナシェフ、脚本:C・Fラミューズ、作曲:イゴール・ストラヴィンスキー、演出:白井晃、出演:石丸幹二、ピアノ:石岡久乃、パーカッション:平子久枝)日経ホール。日本でも何回も上演されているストラヴィンスキーの名作だ。2週間の休暇で故郷へ帰る兵士が、旅の途中で悪魔に騙され、時間を奪われる。悪魔に翻弄され、有為転変の人生を送った兵士が、人間の幸せとはなにかと問い続け、幸せの限度を思い知らされる物語。私はこれまで白井の演出作品に今一つ馴染めなかったのだが、この舞台は素晴らしい。白井のセンスが冴え渡っている。無論、石丸の見事なパーフォーマンス、石岡のピアノ、平子のパフォーマンスが上出来だからこそだが、三者のアンサンブルを纏め上げた才腕が光っていたのだ。

by engekibukuro | 2009-12-28 11:04 | Comments(0)  

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