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3月3日M「女の一生」(作:森本薫、演出:江守徹)文学座

俳優座劇場。杉村春子が演じた布引けいを新人荘田由紀(鳳蘭の娘さん)が抜擢されて演じ、善戦した。特に、堤家の女中になって、女主人に見込まれて長男の嫁になり、商売に向かない夫を助けて堤家の家業に尽くす、その嫁になることを決めて、本当に好きだった堤家の次男からもらった櫛を割って、庭に棄てて長男と結婚するlことを決意する場がいい。”誰が決めたことではない、自分で選んだ道だ”という彼女の一生涯の自戒の出発点だ。歳をとって、あまりのやり手なので、夫に去られ、娘にも疎まれて孤立無援になったころの芝居は、比べても詮方ないが、杉村春子を思い出さざるを得ないが、それでも立派に演じとおした。江守演出は明快で、役者は皆それに応えた。長男の瀬戸口郁、次男の栗野史浩がかっての北村和夫らベテランの名演技と異なる、きちんとした自分の力で役を作っていた。出色なのは、大陸浪人風の叔父を演じた得丸伸二。堤家にとっては最重要人物をしっかり演じて、舞台の柱の重責を果たしていた。得丸は文学座もMODEの芝居も昔から観てきたが、この名作で立派な役者になったことを示してくれた。我ことのように嬉しい。

▼毎月月末の水曜日にお茶の水の出版健保へ降圧剤をもらいにゆく。担当の女医の田村先生に血圧をはかってもらうだけで、安心する。明るくていい先生だ。俳優座へ。高校の同窓生で昔からの観劇仲間のSさんと観る。今年夫君を急逝されたSさんは「女の一生」を観て気持ちが落ち着かれたようだ。白金台のそば屋庵へSさんと行く。升酒と天麩羅の盛り合わせ。この店は昔田仲康夫のグルメガイドで知ったのだが、白金界隈の面白い人たちが眺められる。蕎麦も旨い。公明党のカンザキ氏がひとりで飲んでいたり、白髪の上品な老婦人がだし巻でお銚子を飲み、そばを食べる。とても絵になる眺めだ。目黒駅まで歩いて、Sさんと別れて地下鉄で帰宅。

by engekibukuro | 2010-03-04 09:47 | Comments(0)  

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