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3月23日(火)S「夜のプラタナス」(作・演出:長谷川孝治 )

弘前劇場、赤坂レッドシアター。長谷川の芝居の魅力は、会話の才気、薀蓄の楽しさ、リリシズムの三つが融合した舞台だ。ほかに津軽弁の台詞とか青森のローカリテイも加わる。この融合のバランスがきちっと決まると、とても魅力的な舞台になるが、決まらないこともままある。それと長谷川の戯曲を東京の俳優だけで、長谷川以外の演出家が演出すると、私の観たかぎりでは魅力が半減する。この舞台は、長谷川の演出で、主人公を演じた青山勝が好演して、実の詰まったいい舞台であった。青山が演じるのは末期癌の学者。青森ではないが地方の海辺の断崖の上に建つ家に住み、歳の離れた姉妹(小笠原真理子、谷村実紀)が学者の身の回りの世話をしている。断崖は自殺の名所で、裏の谷では鶯が鳴き、断崖の洞穴に老猫が棲み、プラトンの洞窟が話題になり、学者はなんとか踏ん張って命と向き合い、最後の美食を楽しまんとする。そういう3人の日常が描かれて、あおこの姉妹が学者と男と女の関係があったことが暗示される。姉妹が学者の末期の世話を楽しんでいる気配もあり、会話の才気も薀蓄もリリシズムも変調のバランスとして整い、ユニークな舞台が出来ていた。

▼早朝チャーシューをつくる。午後新宿場外で払い戻し。紀伊国屋で新潮文庫の米澤穂信「ボトルネック」を買う。ヴェローチェでマルケス」枯葉」読了。次に全面改訳でマルケス「百年の孤独」の再読にかかる。赤坂レッドシアターへ。「夜のプラタナス」にはほんものの食事の場面がでてくる。主人公が青森から送られてきた筋子で炊きたてのご飯をh食べる。上等の筋子は温か御飯にのせると溶けるそうで、うまそうだ。主人公がいうとおり、オレも筋子のほうがイクラより断然うまいとおもう。姉妹が食べる朝の卵かけご飯のシーンもある。卵かけ御飯もいいが、浅の卵はオレはポーチドエッグ。卵の純粋のうまさはポーチドエッグだと思う。帰宅、チキンソテイと大根と浅利のサラダ。

by engekibukuro | 2010-03-24 09:39 | Comments(1)  

Commented at 2010-03-24 11:34 x
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