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12月11日(土)M「桜の園ーいちご新聞からー」

 矢内原美邦ダンス公演ー振付・演出:矢内原美邦、映像:高橋啓祐、あうるすぽっとすチェーホフFes。
このダンスが「桜の園」とどう係わっているのかは、問う必要はないのだろう。直接には”桜の園が売られると、わたしたちの遊び場がなくなる”という台詞が聞こえてきたが、このダンスのイメージから「桜の園」を客一人ひとりが独自に感じればいいのであって、高橋の美しい映像がロシヤの森やシベリアの虎とかを映していると考えて、鑑賞の手引きにしてもいい。いずれにしても高橋の映像とあいまって、純然たる矢内原の様々なイメージを駆使した、力強いダンス作品であることは間違いない。ラストに桜の木を伐る音が断続的に聞こえて、ダンサーが一人ひとり消えてゆく。やはり「桜の園」だった・・。

▼メモ。竹橋の近代美術館で「麻生三郎展」を見る。初期から晩年までの大回顧展で麻生に魅入られてきたわたしには大満足の展覧会だった。初期のくっきりした子供像から、赤い空シリーズを経て、戦中、戦後の現実と個々の実存を厚塗りのマチエールの中に閉じ込め、確定せんとする絵は、人物の顔や骨格が、人間を圧する現実の空気や気配を顕す混沌たるアンフォルメルなマチエールの奥に潜んで殆ど見えない。長い時間凝視すると色彩のはざ間から人物の輪郭が浮かんでくるノのだが・・。ただ、赤い空シリーズでの麻生独特の強い奥深い”赤”が、様々な大小の点描として、導きの星のように存在するので、それを追って最晩年(80歳過ぎ)の油彩「ハレワタル」までたどり着く。この絵は画面いっぱい銀色で覆われ、それまでの暗い混沌からとうとう抜け出た境地をはっきり感じさせた。有益で素晴らしい回顧展だった。
・おもろ、有田芳生さんに会う。参議院議員になっても全然かわらない。好きな映画を観る時間もないくらい忙しいとぼやいていた。菅さんはつまらない人だといい、小沢一郎のほうが魅力的らしい・・。彼がいちばん好きなのは、教養もあり、人柄も素晴らしかった、故上田耕一郎だ。
・・ちびたサマ 直しておきました、有難う。

by engekibukuro | 2010-12-12 08:27 | Comments(0)  

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