人気ブログランキング | 話題のタグを見る

6月19日(日)M「桃色遊戯」(作・演出:工藤千夏)

渡辺源四郎商店工藤支店、アトリエ春風舎。
 人気アイドルグループ「クッキーズ」が解散して10年たった。グループの中心だった工藤サユリの訃報が流れた。残されたメンバーのミツルとレイはグループの復活を図るが・・。それと重ねて津軽十三湊(とさもなと)高校のヒロシ、タケシ、コースケの唄と踊りのグループの活動が描かれる。ミツルとヒロシは「虚構の劇団」からの客演で三上陽永、、レイとタケシは工藤良平が演じた。なにごとも積極的なミツル・ヒロシ、野心がとぼしいレイ・タケシ・・。この二組の友情の物語だが、三上と工藤の個性がイキイキと現れていて、多感な青春のヨロコビとツラサがひしひしと伝わってくる舞台だった。高校のグループの一人コースケは性同一性障害に悩み自殺する・・、ヒロシはあとにタレントにはなったが、なぜか自殺する・・。良く書けていて見応えがあった・・。これもわたしが一番惹かれるのは舞台をとおして伝わってくる津軽の風土と津軽で暮らす人々だ。そして演じる地元の俳優達の魅力だ。だから、わたげん商店・畑澤聖悟が前にそこで活動していた弘前劇場の芝居もわたげん商店の芝居も大好きで東京公演はほんとうに楽しみなのだ。
▼この芝居を色々な役でサポートして客演の花組の各務立基が観られたのが嬉しかった。この人は花組に入るか前にタイトルも作者も思い出せないが、たしかシアタートップスで西山水木がでていた3人芝居に出ていて、まったく無名だった各務の演技にびっくりした記憶がある。先輩二人の俳優を食いまくった強烈な個性だった。それからル テアトルで上演された江守徹の演出の秋元松代作「山ほととぎすほしいいまま」、これは俳句の才女杉田久女と師匠の高浜虚子の交情と軋轢を描いた芝居で、久女に係わる九州の激しい性格の男を演じて、虚子に扮した江守に一歩も引かない堂々たる演技だったのを覚えている。花組に入ってから、なにか生彩を欠いているような気がしていたが、今日の舞台はラストにステキな英語の歌を歌って、本来の魅力に接した思いがしたのだ。
▼メモ。日曜日に店を開けている千駄木の五十蔵(イスクラ)にゆく。店のママのシーちゃんから、高平忍さんが昨年11月に亡くなっていたことを知らされた。長いこと一緒に芝居を観たり、この五十蔵が池袋にあったころから一緒に飲んだ大先輩だった。合掌!ここでも泡盛、ここでは3杯呑む・・・。日本橋劇場で講談中心のバレテイを見てきたという女性の常連客が来て、すぐになんで菅をヤメサセルノヨといいだし、店のユー子ちゃんんもその話に応じて政治の話に・・。この店でこんな風景ははじめて、あらためて今の事態を思わせたことだった。

by engekibukuro | 2011-06-20 11:31 | Comments(0)  

<< 6月21日(火)M★「超訳マク... 6月18日(土)M「オイデイプ... >>