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3月4日(日)M「テトラポット」(作・演出:柴幸男)あうjるS

北九州芸術劇場。
 開幕前から「ボレロ」がなる響き、それが最高潮に達すると幕が開く・・。がらんとしたコンクリートの教室だ・・。一人の少年が机にたって、”誰かいなにのか”と叫んでいる・・。とたんに暗転、ブザーが鳴って明りがうき、別の人物がでてくる・・。そういう瞬時のシーンをくりかえして人物たちがそろい、人物たちの関係や、話のようすがぼんやりわかってくる・・、高校生たち、先生たち、親や兄弟たち・・。教室と裏の廊下・・。ふときがつくと人物たちの名前が、らっことかいるかとか、シャチとか水生動物の名前であるのに気がつく・・。皆楽器をもっている、演奏のシーンも細切れにでてくる・・、演奏曲はむろんボレロで、話も繰り返し、反復の連鎖、つまりはこの芝居は”繰り返し”自体がテーマ、それがボレロで強調されて・・、高校生同士の恋愛、妊娠などのきつい話もあるが、たいがいの生活は繰り返し、繰り返しの少しずつの微妙な変化、最後はそれぞれが様々な楽器をもってのボレロの大合奏・・、そこで机にたって指揮をしている少年だけが哺乳類であとは皆海に棲んでいる生き物あdということが明かされる、それまでのシーンで明滅していた海のイメージが、重要なモチーフだということがすうと頭に入って・・。北九州芸術劇場のオリジナル・プロヂュース(プロヂューサー:能粗将夫)の特徴は「脚本」北九州とい”地域”となにかしらの関連を持つこと、「演出家」第一線で活躍する演出家が、稽古から本番までの約一ヶ月半、北九州に滞在し生活しながら作品創りを行うこと(アーテイスト・イン・レジデンス)、「キャスト」オーデイションで選出された地域のメンバーを中心に構成すること。この作品がゆっくりと練られた、柴独自のモチーフが深まった斬新な舞台で、地域の若い俳優たちの熱気がみなぎり、舞台にたつことのヨロコビが肌で感じられたのだ・・。

by engekibukuro | 2012-03-05 08:19 | Comments(0)  

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