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3月9日(金)M現代能「春と修羅」(テキスト:宮沢賢治)

構成・演出:岡本章、錬肉工房、赤坂レッドシアター。
 錬肉工房創立40周年記念公演。金曜日のマチネー、補助席がでる超満員・・。40年たって、岡本の「現代能」がポピュラーになって、岡本の独創的な舞台芸術が広く認知されていることは、ほとんど初期から、柏のスタジオ公演から観ている私にも嬉しいことだ。今回は岡本は演者としては舞台に上がらず、演出に専念した。出演は数少ない女性能楽師の能シテ方観世流・鵜澤久、現代演劇から古屋和子、横田桂子、錬肉工房の北亜美麻実、牧三千子、村本浩子、吉村ちひろの7人が出演。賢治の「春と修羅」を中心にしたテキストを岡本の現代能のモチーフと方法によって、賢治の言葉(詩)と音がその始原に遡ぼったような世界が現出する。なにより、岡本が常に新しい試みに挑戦する初々しさが素晴らしい。これは40年まえから少しも変わらない・・。

▼イメージフォーラムでハンガリーの名匠タル・ベーラ監督の「ニーチェの馬」を見た。”映画の極点を観たければ、この映画を観るべきである”、”人間の条件をめぐる過酷な寓話である”、観た後に心の中で成長する、美しく瞑想的な映画だ”欧米有力紙のキャッチコピー。白黒の画面が、中世の名画を見ているような深い美しさで、死、終末への根源的なイメージが胸に刻み込まれた。この映画がタル・ベーラの最後の映画だそうだ。これ以上の作品は考えられないから・・納得できる・・。
・正岡子規「墨汁一滴」を読んだ。子規の随筆は日本の最高の文章だ・・。
・「台湾おでん」をつくる。壇一雄「壇流クッキング」に壇の仕事場に邸永漢がきて、壇がなにか作ってくれというので、邸が豚のバラ肉の塊と葱をきらずに鍋に放り込んで2,3時間煮る・・、最後にゆで卵をいれて、肉もそうだが肉の味がしみこんだ葱とタマゴがうまい・・。それを台湾おでんというのだが、壇流クッキングは調味料が目分量で醤油をダブダブいれるとしか書いてない。前につくって美味いのだが辛すぎて・・。それで邸の「食は廣州に在り」を見たら「豆油肉」という名の中国の常備菜として、材料と調味のレシピがのっていた・。今度はうまく作れた・・。

by engekibukuro | 2012-03-10 07:34 | Comments(0)  

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