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7月25日(水)S「東京ノート」(作・演出:平田オリザ)青年団

 現在大ブームのフェルメールの<真珠の首飾りの少女>が展示されている「マウリッツハイス美術館展」を開催している東京都美術館の講堂ロビーで上演された。この芝居の舞台は2024年の近未で、そのころヨーロッパでは戦争の真っ最中、ヨーロッパ中の有名美術品が日本に避難してきているという設定で、フェルメールの全作品も日本にきている・・。そのフェルメールを展示しているという美術館のロビーでの話し・・。つまり作品と会場がピッタリの上演・・。この第39回岸田戯曲賞受賞作品は、小津安二郎の「東京物語」がモチーフで、年老いた両親が上京して、子供たちを訪ねる映画だが、この芝居は田舎で両親の世話を結婚もせず引き受けている絵が好きな姉が、東京の兄弟たちを訪ねてくる話で、その集合場所がこのロビ-、あとで館内のレストランで食事・・。むろんロビーには、この一家だけではなく様々な人がきて、まったく無関係な風景が展開されるのだが・・。この会場は、ロビーにある記念品の売店もそのまま営業しているらしいし、臨場感はたっぷり、この芝居はたしか3回観ているが、2回目は横浜美術館のロビーだった・・。今回はフェルメールを展示している美術館だし、この臨場感は青年団・平田リアリズムの真骨頂で、このリアルはときとして芝居を通り越してしまう・・・、だが、この芝居ではさきほどの一家の姉を演じた松田弘子が柱だ。この一家の犠牲になっているのに、それを兄弟たちに気にさせまいとする女性像は忘れがたいし、松田の立派な持ち役だ・・。「東京物語」で東山千栄子を思い出すように、「東京ノート」では松田弘子を思い出す・・。
▲イチローはマリナーズの盟友だったエース・フェルナンデスから二塁打を打った。重荷がとれたように楽々と打っている・・。

by engekibukuro | 2012-07-26 09:45 | Comments(0)  

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