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10月12日(金)★M:ザ・スズナリ★★S:上野ストアハウス

★「女のみち2012」(脚本・演出:ペヤンヌマキ)ブス会。
 AV映画の撮影現場での話・・。この業界を熟知しているペヤンヌマキがAV女優たちの赤裸々な姿を活写して、安藤玉恵、もたい陽子、高野ゆらこ、松本まりか、内田慈がAV女優の振舞いと思いを存分に演じて、舞台が沸き立ち、客は固唾をのむ・・。本までだした、カリスマAV女優リカコを演じた安藤のカリスマのオーラ漂う演技を堪能した。
★★「アテンプツ・オン・ハー・ライフ」(作:マ-テイン・クリンプ、訳:平川大作、演出:笠井友仁)エイチエムピー・シアターカンパニー。
 この大阪のカンパニーはハイナー・ミュラーの「ハムレットマシーン」を上演するための研究会を発展させた集団。エイチエムピーは”Hamlet Machine Project"のかしら文字。前回はドイツの
作家デーア・ローアの「最後の炎」を上演した。海外の先鋭的な作品を積極的に上演する集団で、この作品もかなりの難物だった・・。アンという女性をめぐる物語だが、アンそのものは登場しない。彼女についての不特定の人々のさまざまな言及を繰り広げてゆく舞台だ。背後に大きな3基の中空の輪が回ってゆく・・。アフタートークに出た英国現代演劇の研究者の谷岡健彦氏の話だと、「アテンプツ・オン・ハー・ライフ」という英語が示唆するのは自殺未遂だそうで、英国の若くして自殺した女流劇作家サラ・ケインはこの作品を高く評価した・・・。指定のト書きもないこのテキストを笠井とエイチエムピーのメンバーは自分たちなりに徹底して読み込み、稽古を重ねて噛み砕き上演までもってきた。だから、俳優たちの演技も滑らかで、テキストを自分たちのものにした自在さがあり、歌もあって見応えの舞台になった。このテキストを考えるに十分な出発点にもなる上演で、とても好感の持てる集団だ・・。

by engekibukuro | 2012-10-13 07:59 | Comments(0)  

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