12月2日(日)M「家康と按針」神奈川芸術劇場 KAAT

THE SHOGUN&THE ENGLISH SAMURAI。
脚本:マイク・ボウルトン 脚本共同執筆:河合祥一郎、演出:グレゴリー・ドーラン(ロイヤルシェイクスピアカンパニー芸術監督)。
 16世紀末、日本に漂着したオランダ船リーフデ号。生き残ったわずかな者の一人が、イギリス人船員ウイリアム・アダムズだった。漂着地にはスペインのカソリックの宣教師あちがいて、プロテスタントの漂着民を海賊呼ばわりして捕縛させるが、アダムズだけは徳川家康に召還される。家康はアダムスのもっている学問知識にほれこみ、西洋文化をアアムスから学ぶため、リーフデ号の大砲だけをとって、アアムスを祖国に帰さないためリーフデ号を沈めてしまう・・。時は関が原の合戦などの動乱の時代。家康とアダムスの話が軸だが、豊臣家、徳川家の内情や、戦乱の世の波乱万丈の物語が3時間に渡って展開される。祖国に帰るのを断念さざるを得なくなったアダムスは反面、日本の文化に魅入られ、家康の人間性に心服する。家康はアダムスを三浦半島の旗本に任命、名も日本名三浦按針を授ける。家康は市村正親、アダムス・按針をステイーヴン・ボクサーが演じる。英国人の俳優も多数参加して、長崎平戸の居留地の外国人の当時の暮らしなどの場面の活気がみなぎる・・。が、なんといってもサムライの衣裳がびっしとびしい決まるボクサーの数奇な運命にさらされた役を魅力的に把握した見事な演技と、市村の戦国の権力者の複雑微妙で、硬軟あい混ぜた人間性をたっぷり感じさせた演技の貫禄が舞台を締めて、たんなるものものめずらしい物語の域を越えた、政治と人間への洞察に満ちた立派な歴史劇だった。豊臣の秀頼の八歳の遺児に家康が、豊臣の名を消滅させないと世の乱れがおさまらないと、死を願い、遺児が納得し、浄土であいまみえようとする場面が、愁嘆場にならず、時代のリアルとしてしっかりと描けているのには感動した。
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by engekibukuro | 2012-12-03 07:07 | Comments(0)  

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