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12月10日(月)

▲「悲劇喜劇」1月号を読む。特集は<井上ひさし>。巻頭の編集部(今村麻子)と蜷川幸雄の対談「井上ひさしを伝える」が特段面白い・・・。蜷川がざくばらんに井上のことを話していて、興味深い話が満載・・、特に蜷川と井上の新劇とのかかわりが、微妙にすれちがっていて、ようやく一緒に仕事ができるような道筋がよくわかったこと。また、井上の後期のシリアスな作品より初期の奔放きわまりない芝居を評価するのもうなづける。ただひとつだけ蜷川が木村光一のことを”東大でのインテリ”といっていたが、東北大じゃないかしら・・・。再演された「組曲虐殺」の出演者たちによる座談会も興味深いものだった。小林多喜二への見方のジェネレーションギャップを感じて、時代の推移をまざまざと思い知らされた。
▲六本木の新国立美術館に初めて行く。「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」展。六本木の駅か美術館まで、こんな立派な地下道があるとは、これも初めてで、地上に出たら、ここが六本木のどのあたりかさっぱりわからなかった・・。とくにバロック絵画の蒐集とかは勉強になったが、この絵画展の目玉のルーベンスのダイナミックな絵画群は、目を見張るようなドラマテイックなもので感動する。そしてブリューゲルの<フラドルの人口調査>を見て、勉強気分が消えてほっとする・・。この細かく描かれた無数の民衆が、みな生動して生きている・・。ビュルーゲルは時代を超えてたまらなく面白い・・。
▲夜は神保町の萱で、久しぶりに同時代社社長の川上徹さんに会う。お互い病気持ちで、老人性欝にも罹患していてとか話題はどうもだが、川上さん”今の日本のていたらくなんだ、日本は滅びる””だけどお孫さんはどうなるの”みたいな会話で・・。川上さんは日比谷高校、東大、民青系全学連委員長の経歴をもつエリートだが、”これを言うとみな笑うんだよ”と自虐ぎみで、全くトシをとるのは難しいものだ・・・。

by engekibukuro | 2012-12-11 10:45 | Comments(1)  

Commented by desire_san at 2012-12-17 07:17
こんにちは。
私もリヒテンシュタイン展を最近見てきましたので、興味を持って読ませていただきました。
バロックサロンはすてきな企画でしたね。
ルーベンスの傑作がたくさん見られたのもよかったと思いました。

私もブログにリヒテンシュタイン展について感想など書いてみましたので、ご感想、ご意見などコメントなどをいただけるとうれしいです。

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