12月30日(日)M「第三世代」リーデイング&レクチャー

構成・台本:ヤエル・ロネン、訳:新野守宏、翻訳監修:細田和江、演出:中津留章仁、上野ストアハウス。
 主催:国際演劇協会(ITI/UNESCO)日本センター、<紛争地域から生まれた演劇4>。(ベルリン・シャウピューネ劇場&テルアビブ・ハビマ劇場共同製作)による。
小劇場とはいえ、超満員で、会場にはこういうマイナーな劇場では見かけない、渡辺保、大笹吉雄、青井陽治、それに坂手洋二、流山児祥などの顔も見え、雨の押し詰まった日に大盛況・・。これはこういうインターナショナルなアクチュアルな演目を、評価急上昇の中津留が演出するからだろうと、自分がそうだから、そうなんだろう・・。
 俳優たちは小劇場の10人、オリジナルなメンバーはドイツ人俳優4人、ユダヤ人俳優3人、パレスチナ俳優3人で、テキストはドイツ語と英語を使い分けるものだ・・。
 この「第三世代」の目指すテーマは”ドイツ/イスラエル/パレスチナ、対立の壁を越えて”というもの・・。ナチ・ドイツ、ヒットラーのホロコーストのユダヤ人虐殺を体験したユダヤ人が、いまパレスチナの領土・人権を侵略、殺戮を繰り返しているという歴然たる現実、ユダヤ人の言い分は、パレスチナ人過激派のロケント攻撃に対応しているだだという言い分あがる。これを祖父たちがホロコーストに係わったドイツ人俳優たちが演じ論じ、それにユダヤ人、パレスチナ人俳優が激しく対応、相互に論じ合う・・。人間の経験とうものが、その負の体験が、ひどいことを再現しない力になっていないとう、そのことがどんどん明らかになってきて、最後には永遠の水かけ論、というか不毛な結果になってゆくと感じざるをえない・・。というのもオリジナルはドイツ、イスラエル、アラブ・パレスチナの当時者たちが演じるのだが、日本人は局外者だから、なおさらそうおもうのだろう。中津留はそれをジャパニーズにかなり強引ににきつけて、”ジャパニーズはチャイニーズに全員殺されあてょうがいい”という言葉もまじる、今の日本のこれもかなりヤバイ情況にあわせようとした。たしかに日本人は日中戦争で中国の民間人を殺したが、日本人は中国人に日本本土で殺されなかった・・。この当事者性がないことかへの、真面目な対応はこれしかないのだろうとは思う。終演後のラウンドテーブルで原作者のヤネル・ロネン女史の話をきくと、ドイツでの上演は、これはコメデイとして上演したという・、セリフに包茎とか割礼とかのことばが頻出したりするのも、そういうもので、コメデイとして演じるしか方途がないような現実なのだろう。テルアビブでの上演では、そのときイスラエルはガザを空襲している時だというから、演劇に対す肝の据わり具合が日本とは違うのだな・・。水掛け論は哄笑して吹き飛ばすしかない・・。それが今日的な精神衛生を保つ方法か・・
そういうことをきずかせてくれた中津留の大マジな演出は、いかにも中津留らしいし、今年最後の観劇体験として記憶に残るだろう。
▲これで今年の観劇は終了。総本数250本。今年もこのブログを読んでくださった方々に心から感謝します。老骨に励みになりました。来年も皆様、良いお芝居に遭遇するように!
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by engekibukuro | 2012-12-31 08:45 | Comments(0)  

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