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5月6日(月)M「修学旅行」渡辺源四郎商店、ザ・スズナリ

作:畑澤聖悟、演出:多田淳之介

<オトナの高校演劇祭>の三作品の上演がこれで終わった。連日、超満員で成功裡に終わり、畑澤の高校演劇での戯曲、演出でのおおきな役割と功績が如実に感得でき、あわせて高校演劇というものの評価、発見にもおおきく寄与しただろう。高校演劇の活性化が、演じるほうにも、観るほうにも日本の演劇を底上げし、隆盛にすることへの可能性を大にする・・。さらに、高校演劇が15歳から18歳までの年齢の高校生しかできない独特のジャンルだということ、”高校演劇じゃねえんだぞ!と役者を威嚇する演出家(いたとしたら)は、全く分かっていないんだ・・、そういう誤謬を正すことに、この演劇祭は貢献しただろう・・、また、今年でた平田オリザの高校演劇の生徒達を描いた素晴らしい小説の処女作小説「幕が上がる」とも呼応する・・。
 この「修学旅行」は2005年の第51回全国高等学校演劇大会で最優秀賞および尾r創作劇脚本賞を受賞し、韓国ソウルでの招待公演を行い、2007年から2012年までの6年間、青年劇場版「修学旅行」が全国を巡演し、332ステージ上演した。
 青森のとある高校の修学旅行、平和教育をかねての沖縄へ・・、芝居は宿舎の女子部屋での出来事が生き生きと活写されて、抱腹絶倒のコメデイになっていて、演じるほうも実に楽しそう(今回はナベゲンのオトナの役者だが、未見で残念だが高校生だったらさらに・・)だし、それを笑って観ているうちに、初演当時のイラク戦争、その侵攻の基地でもある沖縄、そういう背景もしらずしらずに劇にしのびこんきて、反戦のメッセージとして客に伝わってくる・・。舞台劇の面白さと、大事なことを伝える媒体としての機能、高校生の演劇開眼にはうってつけの傑作だとおもう。
 注文があるとすれば、余計なはなしだとも思うが、よく出来、面白すぎて自己完結してしまうことか、忘れられないひっかかりを残すのことに留意すること・・まあ、今回はナベゲンの役者陣がやたらに面白かったからだろうが・・。

by engekibukuro | 2013-05-07 10:33 | Comments(0)  

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