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5月17日(金)Sミュージカル「レ・ミゼラブル」帝国劇場

作:アラン・ブーブリル&クロード・ミッシェル・シェーンベルク、原作:ヴィクトル・ユゴー、作詞:ハーバート・クレッツマー、演出:ローレンス・コナー/ジェームス・パウエル。
 新演出、新キャスで生まれ変わる、ミュージカル『レ・ミゼラブル』!!というのが、チラシの惹句、演出家はもちろんだが、キャストもほとんど知らない。メインキャストは3人ないし4人のWキャスト、名前を知っているのはジャン・バルジャンとジャベールを兼ねる福井晶一と強欲ババア、マダム・テナルデイエを演じる森公美子だけだった。今日のキャストはロビーの主演者リストによればジャン・バルジャンはキム・ジュンヒョン、ジャベールは川口竜也、マダム・デナルデイエは森公美子じゃなかった(リストを見そこなったが、浦嶋りんこか谷口ゆうなのどちらか、面白い女優だった)。しかし、新演出とうたうだけのことはあって、ものすごい迫力で3時間弱の舞台はあっという間に終わった・・、このミュージカルは初演を含め三度目だが、ストーリーの起伏のダイナミズム、キャストの緊密なアンサンブルは以前の舞台と著しく様相を変えて、全編暗い照明の許で、ジャン・バルジャンとジャベールの宿命的な対決、コゼットとマリウスの苦難の愛など物語の大眼目が鮮明に浮上した。飢えたこどものためにパン一個を盗んで19年の牢獄入り、仮釈放の違反だけで執拗に追うジャベール、それがこれほどの巨大なミュージカルの金字塔になるとは・・。「レ・ミゼラブル」を初めて観たのは、小学校のとき、前進座の巡回公演でジャン・バルジャyンが河原崎長十郎、ジャベールが中村翫右衛門、預かり先の意地悪強欲夫婦に苛められるコゼットがかわいそうで泣いていると、級友が怪訝な顔をしていたら、中山先生が「エモリはお芝居が可哀相で泣くんだよな・・」と言ってくれた・・。とにかく、素晴らしい舞台だった。これは昨年見た大評判にもななった映画「レ・ミゼラブル」に近い感じだ・・。だが、全編流れ作業のような、機械的な運びの感じもあって、場面々の育成感が乏しいとは思う。初演のマリウスは田代隆秀だったが、若々しい革命への意欲がみなぎった演技で心が揺さぶられたし、島田歌穂のコゼットの初々しさの記憶も鮮明だ・・。そういう光るシーンが出難い演出だともいえて・・。
・トイレで劇評家の七字英輔さんと会った。こんなところでと、帝劇のような大劇場で、とお互いにびっくり・・、こちらは家人のチケットが都合で回ってきたのだが、七字さんは招待、帝劇の招待がくるん・・。
・客席は満員、右隣りの女性二人は知らない同士らしいのに直ぐ打ち解けてお芝居の話に・・、男はこうはいかない・・左側は、”終戦のときはハタチよ””わたしも”という、それならオレより10歳上だ・・というおばあさん二人、女人はすごごい、男はつまらんねえ・・。

by engekibukuro | 2013-05-18 09:39 | Comments(0)  

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