人気ブログランキング | 話題のタグを見る

8月27日(火)M「10 MILION MILES」新国立劇場(小)

脚本:キース・ブーニンン、作詞・作曲:パテイ・グリフィン、演出:北沢秀人、翻訳・訳詞・プロヂューサー:立花裕人。
 オフ・ブロードウエイ・ミュージカルの評判作だ。”フロリダのある街、数ヶ月前に知り合ったばかりのヂュエインとモリー。二人はそれぞれの理由で友人や家族の住む街を離れ、フロリダからニューヨークまでトラックで
旅することを決意した。自分らしく生きるために、煩悩から解放されるために、その道中、モーテルでモリーは妊娠していることをデュエインに告白、その子はデュエインの子かどうか分からないまま、二人は旅を続け、やがて結婚を決意する”、ヂュエインを岡田浩キ(日軍)、モリーを貴城けい、この二人のロードトリップの途上で遭遇する友人、知人、出合った人びとを土井祐子と土井勝海が演じる4人のミュージカル・・。小ぶりで地味な舞台だが、なかなか胸に沁みこんでくるミュージカルだ・・。フォーク・カントリーシンガーのパテイ・グリフィンの作詞・作曲の音楽が、舞台のトーンを醸成する・・。福田和也がカントリー・ミュージックはとても暗いものだとどこかで書いていたが、このミュージカルはそれを裏書きしているね・・。
・川のように 時は流れ ただ身をまかせる 先のことなんて 何もわからないさ そうさいつものように 日々は過ぎて、雷が荒れ狂い 流れにおぼれていく キミの心の 激しい思いが 今 大きなうねりとなっていく・・<We Are Water>。クライマックス・アンチクライマックスは、旅の途中でモリーが産気づき流産してしまい、それを看護師からきいたデユエインがモリーに会わずに逃げ出してしまうシーン・・・、最後にはモリーはデユエインを許すのだが、これからを誓い合った二人だが、二人を打ちのめす、手に負えないリアルがこれからも待っているかもしれない、旅の途中で出会う、ハッピーとアンハッピーのリアルのはざ間で生きている普通のアメリカの人びとの姿が強く印象に残る、ビター風味のなかなかのミュージカルだった・・。

by engekibukuro | 2013-08-28 09:20 | Comments(0)  

<< 8月28日(水)M「女中たち」... 8月26日(月) >>