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9月6日(土)M「ジャンヌ」世田谷パブリックシアター

作:バーナード・ショー、翻訳:中川龍一・小田島雄志、演出:鵜山仁。
 B・ショーの芝居をちゃんと観たのは初めて・・。とても良い舞台で、観終わったあとの幸福感は得がたいものだった。これは、何よりジャンヌを演じた篠本玲奈が素晴らしかったことにことに尽きるといいたいくらいの舞台で、こういうきっちりした古典戯曲を演出して評価が高く、数々の演劇賞を受賞した鵜山の演出(10年に演出して読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した「ヘンリー六世」ではジャンヌ・ダルクは主要人物だ)の妹尾正攻法の演出、小林勝也、中嶋しゅう。村井国夫、今井朋彦ら選りすぐった脇役陣が笹本を盛り立てことの成果ではあるが、笹本はなにものも恐れず、天上の神の声のみに従ったジャンヌとおなじく、役そのもに躊躇なく素直に対応して見事なヒロインを演じる責を果たしたのだ・・。地上的な価値を第一にする政治、天上的な価値と、地上的な価値との融合に腐心する教会、それらを一切アウトにして天上の声に従った田舎娘の勇猛果敢な先頭をきった戦いで奇蹟を、勝利をもたらしたジャンヌ・・.最後に教会と政治に蹂躙され、遂には異端としてルウアンの火刑台へ・・・。この笹本・ジャンヌを観て、あのフレーズが喚起あれてた・・”ドムレミイの空の声からルウアンの火の柱に至るまで、ジャンヌはまさしく選ばれたる女性であり、それゆえにこそ人類の歴史は美しいのだ。その美しさがないとすれば世のすべての女たちが美しくなる手がかりとてないのみならず、この地上にいつ日か沙羅の花がふるのであろう(石川淳「普賢」)”。ジャンヌはその後裁判は無効になり、1920年にはバチカン法王庁によて成人(聖女)似列せられた。エピローグにジャンヌの裁判・処刑にかかわった人たちが蘇って集まって、”あのときは悪かった”みたいなことを口々に幽霊のジャンヌに誤まったり、言い訳をするのだが、ジャンヌが”なら私生き返っていいの?”というと、みな、それはどうかな、もう俺たち死んでいるし”とやはりいつまでたっても”聖女”は苦手、こまりものなのだ・・。ショーの辛辣きわまる皮肉が効いた終幕だった・・。
▲おもろ。今週はカップル・中川君とそろった・・。「風立ちぬ」や猿之助のシャイロックのはなし・・。さて、オリンピックはどこか、中東初のイスタンブールがいいとマスターとオレ・・。しかし、となりがシリアだから・・。

by engekibukuro | 2013-09-08 10:25 | Comments(0)  

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