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10月28日(月)

▲佐藤優「人に強くなる極意」(青春新書)読む。わたしは佐藤の愛読者というより、今を生きる現実感覚の確認として週刊,月刊の連載をすべて読んでいる。それに佐藤の母が沖縄生まれで、今の沖縄の問題での沖縄の人々の立場を訴えている言論と、それと外務省出身としての、アメリカをもっとも重視する現実主義者でもあって、その両者の兼ね合いが、きわめてアクチュアル・・。そして、きわめて上質な知的なエンターテイメントの作者で今小説新潮に連載している「落日の帝国 プラハの憂鬱」はその白眉、これは外務省からのロンドン留学のときの自伝だが、もともと同志社大の神学部出身の佐藤は、チェコの神学者フロマートカの研究が専門で、ロンドンでチェコからの亡命者が営む古本屋と知り合い、亡命者あちとの付き合いが輪を広げてゆく・・。抜群の記憶力に根ざす文体が魅力的なのだ・・。この本はサラリーマン向きの一種のハウフツー本だが、佐藤が今の安倍内閣の妙な舞い上がり方に批判的で、今の日本は戦前の政治の愚かさの繰り返しさているのじゃないかととてもペシミステイッなのでちょっと安心した・・・・。
▲堀井憲一郎「やさしさをまとった殲滅の時代」(現代新書)。殲滅ー皆殺し(にして滅ぼすこと)「新明解国語辞典」。堀井は若い世代の殲滅状態をトレースするが、われわれ高齢者も殲滅にさらされている。ニッカン現代の五木寛之のギネスを獲った長期マラソン連載のエッセイで、”私たちは・・・みずから楢山をめざして歩き続けなければならない”、”いま、老人の大集団が暴走するか、自滅するかの瀬戸際に立たされている。選択は私たち自身の手にある。さてどうするか”。と書いている・・。え、どっちもダメじゃあん!
・ワールドシリーズ第4戦、上原のけん制球でレッドソックスが勝った。昨日は、藻類妨害で負け、今日はけん制で勝った・・・・。野球はフシギ!

by engekibukuro | 2013-10-29 08:21 | Comments(0)  

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