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11月27日(水)★Mパルコ劇場 ★★Sあうるすぽっと

★「高校中パニック!小激突!!」(作・演出:宮藤官九郎)
 「バカを制したバカがバカと渋谷を制す」という、渋谷を掠奪しあう、二つの勢力、グレッチ工業高校(グレ校)と聖ファイヤーバード高校(ヤバ校)の、グレ・ヤバ両校の激突と交流の渋谷制覇のファイト合戦を、3時間にわたって展開する、ただいま絶好調のクドカンのロックの喧噪が劇場を圧するロックミュージッカル・・。佐藤隆太、勝地涼、永山絢斗、川島海荷、三宅弘城、皆川猿時、少路勇介、よーかいくん、宮藤官九郎、坂井真紀、綾小路翔の面々が活躍するのだが、わたしは、ほとんど初面識で、まわりの女性客のワーワーキャーキャーの渦にひとりぼっちに取り残されて・・・、だけど救いは三宅弘城、このナイロン100℃の役者は劇団「健康」の時代からしっていて、連続バクテンなど、運動神経抜群の役者で大ファン、この舞台でもほかの若い役者にひけをとらない、金髪セーラー服の女装姿で大活躍、なにより話に聞いていたドラムス演奏を観られたのが大収穫・・。クドカン自身もロボット被りで出ているが、こういう自称バカ芝居でも、一種の貧があり、グチャグチャ大バカ芝居にならないのが、いいのかわるいのか・・・。
★★現代イプセン演劇祭ー第2回東京ミドルシアターフェステイバルー名取事務所。ベルギー、ノルウエー、ルーマニア、日本、チリのカンパニーがイプセン「人形の家」を競作する・・・。今日はベルギーのカンパニー:テイージースタンの「Nora ノーラ」。ノーラ は「人形の家」の主人公・・・。このカンパニーは男・女二人ずつのカンパニーで、この4人は俳優も演出も兼ねる。この舞台でもノーラ役と夫ヘルメス役以外の役はほかの男女の俳優が演じる・・。舞台は四角の大きなプレート上で、とくに装置なしのきわめてシンプルで、服は現代服。テキストの絞りに絞ったテキストのエッセンスのみ抽出した舞台で、わたしが今まで観た「人形の家」中でも屈指の舞台で、雑多な演劇性の救いがないもので、イプセンの深淵を深々と感じさせた。”女性を男の人形から解放させた女ノーラ”という歴史的定説ではない、男と女の理解しあうことの不可能な決定的深淵を肌にも感じさせる冷徹な舞台で、これでは世界中の夫婦は成立しないだろうと思わせる・・。だから、自分の現状を顧みるのがせいぜいだと・・。ただ、リンデ夫人とクログスタという別種の成熟した男女を出すことで、ノーラを相対化するのもイプセンの深さで、イプセンが現在でも生きている証左であり、それをまざまざと示したこの舞台は、非常に刺激的な作品だった・・・。

by engekibukuro | 2013-11-28 09:56 | Comments(0)  

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