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1月15日(水)M「Tribes-トライブス」新国立劇場

作:ニーナ・レイン、翻訳・台本:木内宏昌、演出:熊林弘高、世田谷パブリックシアター企画・制作

 世田谷PTが改修中なので、新国立をk借りての公演。英国のある一家の聴覚障の次男(田中圭)をめぐる劇。この次男は読唇力が優れているので、父は障害者意識をもたせないために手話を習わせない。父は次男をマイノリテイにしたくないという・・・。だが、次男は同じ聴覚障害の女友達(中嶋朋子)ができ、手話もおぼえ、障害者の仲間の集まりにも出るようになった。
 この一家は父(大谷亮介)が辛口の評論家、母(鷲尾真知子)が推理小説家志望、長男(中泉英雄)iが学者志望、長女(中村美貴)が自称オペラ歌手の風変わりな一家で、一家の会話はエキセントリックで家じゅう本だらけ・・・。こういう一家の独特の教育方針で次男の障害も扱われているのだが、次男には受け入にくく女友達と暮らすようになる・・。なんらかの形で健聴者と一緒に暮らすか、障害者の仲間に埋没するか、そういう枠の中でもさまざまな差異、階級があること、そういう中で苦しんで生きてゆく二人に焦点をあてたこの劇は、いままで漠然としてしか知らない障害者たちの厳しい現実を知らせてくれた。英国の女性劇作家のこの作品のデイテールのひとつひとつが充満していて、それを大谷、中嶋ら俳優陣が演じぬいた。演出の熊林が言う、”本当のコミニュケイションとはなにか”という問いがこの劇のテーマだろう、・・。下手したらいわゆる難病ものという特殊な芝居になりかねないものを、普遍的なテーマを感じさせた舞台だった。

by engekibukuro | 2014-01-16 06:01 | Comments(0)  

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