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1月24日(金)S「パノラマー唐ゼミ☆版」

作:やなぎみわ、演出:中野敦之、やなぎみわ×劇団唐ゼミ

 近年演劇による近・現代史を描くことに意欲を燃やす、京都の美術家やなぎみわと、やなぎが若年からファンだった唐十郎の弟子たちの劇団唐ゼミのコラボレーションが唐十郎が生まれ育った下町界隈で行われた。このコラボはまた、美術家、音楽家、落語家、映画作家とのコラボでもあり、総称「パノラマプロジェクト」の一一環でもあり、入谷交差点の焼き鳥屋前に集合し、この町の界隈の名所を散策し、パノラマの実物も見学し、しかるのち会場へ・・・。パノラマ館とは巨大な円筒形の建物に360度に描かれた油絵を、中央の見物台から眺め、実地に体験したような気持ちにさせる空間装置。主なテーマは戦争であり、国民教育も担っていた。
kの芝居のパノラマでのテーマも日清戦争で敵の難攻不落の防御壁をよじのぼって門を開けた兵卒をとりあげ、この戦果でこの兵卒は金鵄勲章をもらう、だがこの兵卒はほめそやされて舞い上がってしまい、放蕩の末、川上音二郎の一座の戦争芝居で本人を本人が演じ、最後には零落の果、公園で死ぬ・・・。ほかに、こコパノラマを描いた二人の画家の対立する絵画論や、萩原朔太郎が出没したり、芸者上がりの波乱万丈の人生を生き抜くアゲハという女性など、多士済々の人物群が登場、パノラマをメ巡っての数々の話、論点も奥が深、やなぎみわが手がけたモンゴリアンドレスも華美であり、それと日清戦争など昔の物語だと思っていたが、この芝居ではナマナマしくアジアが蘇ってきて、今の日本のヤバサが感じられてきたのが怖い・・・。そして唐ゼミ演技陣の健闘、唐十郎の芝居を演じ続けてきたことが、それ以外の芝居でも、それがきとんとと力になっていたことが、この舞台で中野の演出も含めて証明されたと思った。とくにし椎野裕美子のアゲハは舞台の華としてしっかり存在したのだった・・・。アフタートークのpロヂューサー室井尚の司会でのパノラマ研究家の木下直之とやなぎみわの話は有益だった。とくにこの芝居で、やなぎみわの志向している演劇の価値と面白さがわかったことがが収穫だった・・・。

by engekibukuro | 2014-01-25 08:07 | Comments(0)  

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