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2月1日(土)M「プラトーノフ」劇団キンダースペース

 原作:アントン・チェーホフ、構成・脚色・演出:原田一樹、シアターΧ

 このチェーホフのあまり上演されない芝居は、昔、俳優座で永井智雄のプラトーノフで観たがあまり覚えていない。原田はチェーホフの芝居は、”ただ、人が集まる芝居としかいいようがない”といい、いずれにしてもチェーホフの芝居は、観終わってもスカッとしない芝居で、これはわれわれが生きている現実そのものに近いという・・。だからこそチェーッフの芝居はいつの世にも繰り返し上演されるのだろう・・・。
 だが、今回の舞台は、主人公のプトーノフは大酒のみで、やたらに女に言い寄られて、周囲の男たちに迷惑をかける破滅型の男で、まるで太宰治の破滅型の男を彷彿させる男だ・・。芝居は、この男の行状を追ってゆくのだが、その世界は、いわゆるチェーホフの芝居のトーン、余白は感じられない・・・。周囲を大混乱に陥れ、せっぱつまって自殺するこのプラトーノフは、逆の意味で原田の脚色によってスカッとする芝居ができあがっているのだ・・。そして、このロシアの村でのさまざな身分、職業の大勢の人物の出入りの劇的処理の巧さは際立っていて、俳優たちもそれぞれのキャラクターの表出をきちんとこなしていた。まさに”人が集まる芝居としかいいようがない”芝居が成立している・・、ただチェーホフというよりチェーホフの作品からの原田の芝居だと思ってしまうが・・、それとしてきちんと意図鮮明な見事な出来上がりだと思った。

▲おもろ、中川君、カップル、今月の中川君の京都への傷心の旅に、京都は雪が舞うといいのだが・・、というのとカップルが毎年行く京都の骨董市のはなしで・・・。

by engekibukuro | 2014-02-02 07:55 | Comments(0)  

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