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2月11日(火)M★のげシャーレS★★シアターコクーン

▲念のため。昨日書いた芝居のタイトル「サヨナフ」は主人公永山則夫の母親がカタカナし書けず、則夫あての手紙の末尾のサヨナラが、あわてて書いてラの上のーをぬかしてしまったからサヨナフになってしまったことによるタイトルで誤字ではありません・・。
★「Rと無重力のうねりで」(作・演出:藤田貴大)、マームとジプシー。この芝居、藤田はオトコをクローズアップする意図を明確にする、オトコ4人は高校ボクシンブ部、オンナの子も3人でる、筆頭女子は一種のこの舞台を進行させるナレーターの役割でマイクをもつ・・・、地方の高校の生の生活と友情や、いろいろのコトの渦巻きが、こちらからはうかがいしれないナヤミやヨロコビの諸相として展開して、弛緩し、凝縮し、四角のプレートの舞台が一時の、ローカルな場所での生きる上での特定性を浮き彫りにする。藤田の劇作法は口建てだ。台本なしで稽古しながら口建てで芝居を創ってゆき、初日が台本の完成になる・・。だから舞台の創造過程そのものに立ち合うことになるのだ・・、これはスリリングで意外性と唐突な高揚に遭遇する余地があって、一人の友人が海辺で行方不明のエピソードでの海に呑まれ無重力状態になってしまい死ぬ記述と描写が、津波にのまれて死んだ3・11の死者をも思わせ、藤田の無重力のモチーフが感動的に顕現するのだ。極私的だと思わせる藤田のモチーフが、ある普遍的な地点まで到達する過程、ステージングの創造性と才覚はまったく目覚ましくて、芝居の上昇と降下のはざまで、音楽と連動する若さ独特のボクシンブのぶつかり合いの強度とけん怠のはざまでの陶酔の瞬間も忘れがたい・・。それと北海道伊達市育ちの藤田の作品は、アメリカの劇作家ウイロアム・インジや日本なら弘前劇場の長谷川孝治の作品のように、地方都市のローカリテイの魅力があることも言い添えたい・・。
★★「もっと泣いてよフラッパー」(作・演出・美術:串田和美)。22年ぶりの再演、旧、オンステージ自由劇場での主役は吉田日出子の舞台の再演。お得意の全員の楽器演奏をふくめ、同窓会のおもむきもあるが、今回は吉田の踊り子ジルは松たか子、それに松尾スズキ、秋山菜津子が出演する、初演のジルの吉田の印象が強烈だったが、今回はアンサンブル中心だが、久しぶりの松尾の超オカシイ芝居を堪能した、それと松の唄のうまさと声のキレイさにあらためて感心した、案内役の串田が心から嬉しそうだった・・。

by engekibukuro | 2014-02-12 09:19 | Comments(0)  

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