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2月24日(月)M「燐寸」(作・演出:中島淳彦)

ハートランド、ザ・スズナリ
 月曜の昼間なのにスズナリは超満員・・・。当代きってのウエルメイドの作者中島の作品だからか、ハートウオーミングなハートランドのファンたちか、この盛況には驚いた・・。
 舞台は中島の故郷、数々の中島の芝居のホームグランドの宮崎の海辺の町・・。そこの小さな病院に矢野陽子が演じる西村多恵子が入院している・・。漁師の夫に先立れた老婆で、軽い胃潰瘍なのに看護士の立ち話を盗み聞いて末期の癌だと誤解して怯えている・・・。恐慌を来して東京の姪3人に電話する・・、本来連絡すべきたった一人の妹智恵子(大西多摩恵)へはわだかまりがあって、姪をとおしてしか・・・。もともと多恵子は東京育ちだが、駆け落ちのように夫の故郷、この宮崎へやってきたのだった・・・。姪たちはもう伯母さんに会うのは最後だと宮崎まで見舞いに来て、妹も来たのだが・・、女性ばかりの芝居、この病院でのてんやわんやの中島あrしい悲喜こもごものシーンが展開して、矢野と大西という味のあるベテラン役者が演じる老姉妹の関係、来歴が浮き彫りになり、実は妹のほうが末期の癌だった・・・、この芝居の基本ラインは虚実の病魔に襲われた老姉妹の最後の頑張った覚悟”私の人生は面白かった”、”笑って死ぬわ”というメッセージを高らかに伝えることなのだが、これが矢野・大西の芝居で客に伝わったのだ・・・最後の後日談では妹の末期癌も名医の神の手の手術で消えてしまったという、そして姉妹は長寿を寿ぐのだ・・・。中島らしい面白い脇筋は、会社勤めの若い女性が、会社のスポーツ部の砲丸投げの選手が誤ってとんでもない方向に投げ、その砲丸が彼女に直撃、全身ギブスだらけの大怪我し多恵子の同部屋に入院する、選手はその砲丸をお見舞いで進呈する、その砲丸がいろいろへ廻って芝居の綾になる・・・、終幕、超満員の客の怒涛のような拍手・・・。

by engekibukuro | 2014-02-25 07:06 | Comments(0)  

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