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7月10日(木)S「木馬の鼻」劇団唐ゼミ

作:唐十郎、演出:中野敦之、浅草花やしき裏 特設テント劇場

 この芝居は、唐ゼミのメンバーの横浜国大の恩師、絶大なの感化で唐ゼミを立ち上げた、その師唐画が、初めて唐ゼミに書き下ろした作品だ・・、主宰中野が原稿をもらたっときの興奮を語っているが、その欣喜雀躍の様子は想像にあまりある・・・。唐ゼミ・中野の功績は、唐の戯曲を、彼ら若い世代の精神と感覚で読み直し、唐の戯曲の構造をより明確に解き明かして、唐作品の知的な継承を実現したこと・・。その中で椎野裕美子、禿恵という唐芝居の名花を出現させたこと・・。その舞台で、状況劇場、アングラ最盛期の舞台が、そのときはなにがなんだかわからず夢中で観た芝居をきちんと観なおすことができたのだ・・。さて、この芝居、屋上遊園地で清掃員をしている男が、遊園地の白い木馬・マチュピチュの鼻についた鳩の糞をふくのを忘れた、この男の姉は町内の箪笥屋を切り盛りしている、ところが町内会長の喫茶店ピサロのマスターが、勝手に区画整理に応じ、箪笥屋をこわして道路を通すと強引に決めてしまった。木馬の名前マチュピチュは、かのインカ帝国の高峰の空中都市の名、ピサロはスペイン軍の隊長でインカ帝国を滅ぼした・・。木馬を巡る話が、インカの物語に繋がった・・いかにも唐のイマジネーションの結実だ・・。初演は初々しくも唐的テイストをみなぎらせた好舞台だった。今回も面白かったのだが、元気が良すぎたというか、唐芝居の地肌、特有のマチエールがあまり感じられず、ちょっと不満ではあった・・。

by engekibukuro | 2014-07-11 10:23 | Comments(0)  

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