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10月5日(水)M「水の戯れ」(作・演出:岩松了)

下北沢・本多劇場

”脚本を書いている時はその中の女性と付き合っているような気持になるんです。その女が分かった瞬間に恋が終わる。だから、わけが分からない方向にどんどん行ってしまううんです。とにかく、わけの分からない女が好きなんです。」。この作品は1989年に初演されたものの再演だ。実際、岩松の作品の数多いわけの分からない女たち・・、それを演じた数々の魅力的な女優たち、桃井かおり、岸田今日子などなどを即座に思い出す・・。この芝居はテーラーを営む春樹(光石研)と亡き弟の妻明子(菊池亜紀子)、春樹の兄大造(池田成志)の3人の関係を描いたもの・・。この芝居のわからない女は、この明子、弟は自殺したのだが、春樹は明子への思いを深めて結婚することにはなるんだが、明子のわけの分からなさに翻弄され、明子も自分のわけのわからなさの始末がつけられない・・。こういう葛藤と軋轢のデテイールをほかのこれも個性的な人物を混入させて岩松テイストがみなぎる、岩松の劇世界が展開していく・・。ささくれだった神経過敏の会話が、ときとして神経症的な観るのhがが難儀な局面もあるが、これぞ岩松作品だという満足感があった。ラストは悲
劇的な結末になって完了するのが、これは自然ななるゆきだろう・と納得せざるをえない。この芝居、一方で舞台を華やぐのが、兄大造の妻、中国人の妻林鈴を演じた瑛蓮の片言日本語のダイナミックな乱発ぶり。彼女の存在が舞台を大いに活気ずけた・・。

by engekibukuro | 2014-11-06 08:05 | Comments(0)  

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