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2月3日(火)

 図書館で今月の雑誌を・・・。
「群像」
 片山杜秀「鬼子の歌」連載ー近現代日本音楽名作手帳。今回は「七人の侍」の映画音楽の名曲の作曲家早坂文雄、早坂が北海道で苦学しながら作曲の勉強をしたことを初めて知った。それと雅楽を近衛公爵家の息子から学び、独特な音楽作品を創り、それを数々の映画音楽にも使った・・。片山の該博な知識に改めて感服する。
 古井由吉の短編連載の完結「冬至」、ほぼ同年、この老境の夕日の描写、戦争直後の少年時代の追憶・・絶品だ!
「新潮」
 この古井と大江健三郎の対談。すこぶる高級文学対談なのだが、大江が工事現場付近の段差で転倒、現場監督が「じいさん、みごとにすっ転んだね」といわれた話もあって・・。内村薫風「MとΣ」、馬喰町のブラック会社とネルソン・マンデラの共通性は黒と抑圧、なんともフシギで説得力もある小説作法・・。
「文学界」
 羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」、片山の朝日の文芸時評を読み直すと、ずいぶんずさんな読み方をしたなと自省したが、87歳の祖父と母と孫の一家の話として、現在の普通の家族関係がよくかけていて書けていて感心した・・。祖父は”早くお迎えが来てほしい”と毎日つぶやき、母はその祖父を怒鳴り散らす、孫は孫で自分の生活があるのだが、なんとかちゃんと収まってゆく・・。横尾忠則「消えた男」は、京都まで行く美大の
教師が新幹線のグリーン席の隣の席に座った男が、弁当とコートを置いて、新横浜で席をたち、京都までかえってこないのに困惑する話・・・。その他・・・。

by engekibukuro | 2015-03-04 09:16 | Comments(0)  

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