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3月20日(金)M「子供の時間」劇団俳小

作:リリアン・ヘルマン、翻訳:杉山誠、演出:入谷俊一、シアターグリーン
 リリアン・ヘルマンの代表作だとは知っていたが、舞台は初めて観た。これはウイリアム・ワイラーが映画化していて、タイトルは「噂の二人」、オードリー・ヘップパーンとシャーリー・マックイーンの共演で、この二人が素晴らしかった。そしてラストシーンがななんとも忘れがたかい映画だったのだ・・・。二人の女性が、苦労して女子の寄宿学校を設立して評価の高い学校に育ったのだが、学校を支援する有力者の夫人の孫が、自分がお山の大将になれなくて二人の先生を逆恨みし、二人が同性愛だと祖母に訴え、孫を溺愛している祖母は、学校lから生徒を引き揚げさせる・・。二人はこの祖母を侮辱罪で裁判に訴えるのだが、敗訴してしまう。とにかく観ていて、ヘルマンの戯曲の人間というものの恐ろしさを緻密に的確に描いている戯曲そのものに感嘆する。俳小の女優陣も出来事の首謀者の小悪魔そのもののメアリーを演じた小池のぞみを中心に善戦してテキストの真価を伝えているが、なんといってもこの舞台の成功は祖母テイルフォード夫人を演じた客演の新井純、新井がこの舞台をじつに豊かなものにした。私情の勝ち過ぎだが、新井を六本木のガラス屋の地下の劇場で旗揚げした佐藤信らとの60年代の自由劇場以来の、早稲田小劇場の白石加代子、j状況劇場の李麗仙とならぶアングラ三大女優であった新井は、他の二人も大成したが、新井の気品と優雅な様子のよさ、的確な役づくりは、こんな立派な女優に成ったかと一ファンとしてとても嬉しかった。それとびっくりしたのは、ラストに二人のカレンとマーサの、そのマーサが自殺してしまうこと・・。映画「噂の二人」では、この二人は難関を乗り越えて再出発するシーンだと記憶していたから・・、だが、解説を読むと、ワイラーによる映画化も2回あり、2回目も脚本にヘリマンが関わっているとあり、ヘルマン自身の意向と知って納得したが、この原テキストをちゃ
んと観ることができたのは嬉しいことだった。

by engekibukuro | 2015-03-21 08:50 | Comments(0)  

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