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4月17日(金)M「笑った分だけ、怖くなる」

 白石加代子新企画
上演台本:笹部博司、演出:小野寺修二、東京芸術劇場シアターウエスト
 白石加代子の「百物語」が終わっての新企画だ。これはひとり語りではなく、台本をもつスタイルは変わらないが、今回は共演者:佐野史郎とタッグを組んでのパフォーマンス・リーデイングだ。
 第一ラウンド 東野圭吾:作「超税金対策殺人事件」
 主人公はミステリー作家。友人の税理士から、来年度の支払調書を見せられ、あまりの巨額にパニックになって・・、こうなれば、経費を増やして税金をしこしでも減らしたい。かくして現在執筆中の「氷の街の殺人」は、どんどん書き換えられていって・・。まずは、これは新コンビの小手調べ・・。まず、両人ぎこちない・・。
 第二ラウンド 小池真理子:作「妻の女友達」
 市役所の戸籍係の弘中肇は家庭第一のマイホームパパ。ある日妻の女友達である流行作家が突然訪ねてきて、自分の豪華マンションの掃除や家事を頼む・・。そして大切な妻との時間をどんどん奪ってゆく。しだいに沸き起こる殺意・・。そして以外や以外の凍りつくような、そして”ちょとお!”といいいたくくなるようなスレスレのきわどいどんでん返し・・。この話は文句なく面白いし新コンビ・新スタイルの誕生を感じさせた。が、この話の白石のリーデイング・パフォーマンスが、ただでさえなのに、もうへきへき寸前の過剰性・・、しかし、終わってみたら、この結末には、このオーバー・パフォーマンスが不可欠だということに合点がいった。とんでもないどんでん返し(むろん書けない)がすんなり受納できるのだ・・。帰りに白石さんのダンナの深尾さんに、この新企画は続けてゆくの、と聞いたら、まだわからないそうだが、この第二ラウンドの面白さだったら、続けてほしいな・・。

by engekibukuro | 2015-04-18 09:16 | Comments(0)  

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