人気ブログランキング | 話題のタグを見る

5月24日(日)


新潮6月号jは演劇関係3本・・。

 小説は・岡田利規「ステイッキーなムード」、この小説は巨大なショッピングモールに女の子がまぎれて・。
 宮沢章夫「ソウルフル・デッド」新宿十二壮のビルから飛び降りて自殺した藤圭子の話。
戯曲は神里雄大「+51 アビアシオン、サンボルハ」、神里の祖母は沖縄から移民してペルーで暮らしている。その話を軸に、メキシコで活躍した日本人演出家セキサノ(佐野碩)を配置して、さらに沖縄名護の先祖の墓に参り、ひめるりの塔にも行く・・。このペルー、沖縄をめぐって、自分のアイデンテイテイーを探る旅を、散文詩風に描いた戯曲・・。なかなか魅力的な戯曲で、ことし神里が主宰する岡崎芸術座で上演したそうだが、観たかった・・。
・吉川浩満「理不尽な進化ー遺伝子と運の間」(朝日出版社)を読んだ。最新の進化論の紹介の本だが、著者はこれは学術書でなく、一般の読書人に向けたエッセイだという。だが、この本に書かれた現代進化論の内容は、私にはほとんど理解できなかった。が、著者の文章の魅力で417ページの本を読んでしまった。驚くのは進化論が軸だが、それにまつわる哲学や文学の引用からみえる著者の該博な知識、幅広い教養がおどろくべきもので、大西巨人「神聖喜劇」からトルストイの「戦争と平和」の藤沼貴の新訳から、スガ秀実の著書、その他、古今東西の書物の引用は、1972年生まれだというが、まったく新しいタイプのライターがでてきたという思いをさせたのだ。そのほか、映画では「仁義なき戦い」から、SF名小説、簡単な2分で出来るチャーハンのレシピだとか、およそ自然科学の解説書の域を超えた本だった。

by engekibukuro | 2015-05-25 07:05 | Comments(0)  

<< 5月25日(月)M「ブルームー... 5月23日(土)扇田昭彦氏死去! >>