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8月1日(土)M7月「幽霊さん」佐々木愛ひとり芝居

作:司修、演出:金大偉、劇団文化座、シアターΧ

 佐々木愛が扮するのは秋田弁の盲目のお婆さん。
”3・11後、ぼくに出来る、無理のない支援はないかと思い続けた。二年後の東北を歩き、いまだ津波の残した災害の激しさ、なまなましい景色を眼の前にした。そこで、津波に呑まれて亡くなった人たちの幽霊が、生き延びた人たちを慰めていた話を聞き、ぎりぎりの救いまでも消えていくように、幽霊も出なくなって寂しいという老人の心に語りかけたいと思った。一人芝居でその悲しみと希望を描けないかと思った時、佐々木愛さんの、苦しみを押しのける、軽快な笑い声が聞こえたのだった。愛さんの秋田弁を耳にしながら、「幽霊も出なくなって寂しい物語」を、一人芝居として書き始めた。それは、超後期高齢者の愛の物語である。-3・11後に 司修。
 このお婆さんは、松の木(だんだん津波で亡くなった連れ合いのお爺さんに変貌する)に向かって綱を投げかけていりうが、届かない・・。お婆さんは、生きるのがつらくなって、生きていたときは、酒飲みで散々目にもあったのだが、お爺さんの許に行きたいのだ・・。さいごにはお爺さんはそんなことはするなとさとすのだが・・。佐々木愛の秋田弁の台詞をきいていると、そくそくと3・11の、災害の、津波の恐ろしさ、そのあとでも消えない今現在の残滓、哀しみをそくそくと感じさせるのだ・・。佐々木愛にしか表現できない重さと軽さ、暗さと明るさの瞬時の明滅の演技を観て、あらためてこの女優の力量を思い知ったのだった。バックに流れる司修の絵画の映像が素晴らしかった・・。
・おもろ。臨時休業の張り紙があった・・。はて・・。

by engekibukuro | 2015-08-02 09:05 | Comments(0)  

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