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5月1日山田風太郎「人間臨終図巻」

・五十一歳で死んだ人々  マルセル・プルースト
 ”マルセル・プルーストは 九歳の頃から猛烈な神経性喘息に悩まされ、それはアンドレ・モーロアが書いたように「病気のため、プル-ストはその生涯の大部分をとじこもって過さねばならず、のちには友人とも、夜を除いては、あるいは夜昼ともに全然合うことが出来ず、花盛りの林檎の木も、部屋や馬車の閉ざされたガラス窓越しにしか眺めることが許されなくなった」ほどの烈しい持病となった。
 三十五歳のときから彼は、パリのオスマン通りの、コルク張りの防音装置がほどこされ、発作を防ぐために窓を閉ざされ、燻蒸装置から息詰まるような薬の匂いが発散している隠遁所で、大作「失われた時を求めて」を書きだした。
 晩年の彼は、髪は櫛をいれたこともなく、髭もほったらかしで、十年以前に流行したようなダブダブのズボンをはき、顔は、一度しぼんでから、ふたたび不完全な滑稽なかたちにふくらんだような、若くて、老人で、病人で、女のような、まことに奇妙な風貌の人間いなっていた。そして、持病の喘息の悪化で五十一歳で死ぬ解く全まで「失われた時を求めて」に手をいれつづけていた”。
 ・いまその「失われた時を求めて」の岩波文庫版で9巻の地中まで読んでいるが、そんな状態で、よくもこんな豊かな作品が書けたものだと感嘆した。

・春の天皇賞が京都の淀の競馬場で行われた。作家の高橋源一郎は、「サンスポ」に土日「こんなに外れていいかしら」という競馬予想のコラムを持っているが、高橋が本命にしたルメール騎乗のアルバートは6着
、勝ったのは北島サブちゃん所有のキタサンブラック、高橋の本命馬を買ってしまった。

by engekibukuro | 2016-05-02 10:05 | Comments(0)  

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