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7月7日(木)M シアターコクーン

「ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン」(作・演出:松尾スズキ)
 松尾の久しぶりの新作だ。大人計画の公演ではにが、阿部サダオや皆川猿時、池津祥子などメンバーも多数う出演し、他に寺島しのぶ、吹越満、岩井秀人など魅力的な人たちが出演している3時間の大作だ。特に新機軸だといえるのが、この芝居の構成、舞台上段に和楽器を演奏する座が設えられ、綾音(あやね)のメンバーが座して演奏する。綾音は東京芸大邦楽科のOGが結成した集団で、歌舞伎のバックミュージックである長唄の普及を心掛け、”魅せる長唄”の実現を探求している。この長唄を浄瑠璃の義太夫の塩梅で、舞台の要所で演奏する。”とあるアジアの国。ジャワンガスタンでは少年売春が横行していた。未開拓の村からヤギ三頭分の値段で、ダンサー・ゴーゴーボーイとして売られてゆく少年たち、その中での特に美しい少年トーイ(岡田将生)がクラブコナジュースに売られてゆく。その国にベストセラー作家の永野(阿部サダオ)が行方不明の友人を探しに潜入する。マツオはこの芝居にBL(ボーイスラブ)を取り入れ、松尾が高校時代に読んだときに知った稲垣足穂の「少年愛の美学」の”A感覚”と”V感覚”のA感覚の魅力をを舞台にまき散らす芝居に構成したのだ・・。登場人物多数、はなしも混迷に混迷を重ねるが、要所を綾音の演奏、作家の妻を演じた寺島の存在感によって久しぶりの松尾の舞台を堪能できた。

by engekibukuro | 2016-07-08 09:31 | Comments(0)  

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