10月19日(水)
・別役実戯曲集「ドラキュラ伯爵の秋」には「いかけしごむ」、「ももから うまれたももたろう」、「アカイツキ」、「ドラキュラ伯爵の秋」が入っている。
・巻頭の「いかけしごむ」を読む。妻に逃げられ、娘を殺した男1が、ベンチに座っている女1はなぜかそのことを知っている。男1は、娘の死骸が入っている袋には、イカケシゴムを作るイカが入っていると強弁し、じつはブルガリアの暗殺団に追われているといいつのる。イカケシゴムとかブルガリア暗殺団とかの荒唐無稽なことと、悲惨な現実との会話のリンクが一編の散文詩のような戯曲になっている。別役の芝居をいままでずいぶん観てきたのに、まるで解っていないという思いをこれを読んでまた感じたのだった・・。
by engekibukuro | 2016-10-20 09:15 | Comments(0)