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11月4日(木)M「燦々」てがみ座

作:長田育恵、脚本:扇田拓也、座・高円寺
 長田・扇田コンビの久しぶりのてがみ座公演。
 江戸後期、黒船が泰平の眠りを覚ます少し前ー
 江戸時代の天才絵師・葛飾北斎を父に持つお栄の物語・・・。お栄は物心つく前から絵筆を握ってきた。幼いころから北斎工房の一員として、男の弟子たちに引けを取らずに、代作もこなし枕絵も描いてきた。”けれど本物の絵師になりたいと肝を据えたとき痛感する。北斎の陰から逃れ、自らの絵を掴むには、女である自分を受け入れ、見つめなくてはならないと。”折しも長崎・出島からシーボルト一行がやってきて北斎工房に大量の絵を発注する。百枚の肉筆画を西洋の画法で描くようにと。絵師たちに西洋画の新しい風が吹き付けてきた・・。”お栄は、自らの光と闇を見出そうと挑んでいく・・。” そして、北斎の才華を受け継ぎ、ついにお栄(画号:葛飾応為)は「夜桜美人図」「吉原格子先之図」という名画を生み出したのだった。初めて見たが、ちらしにコピーされている「夜桜美人図」という絵は、おどろくほど独創的な構図で美しい絵だ。
 北斎を、花組芝居の加納幸和が演じる。この加納の存在感を軸にして、長田の創った父と娘の物語を扇田は流れるような起伏のリズムで舞台を構成し、仰ぎ見るような天才絵師北斎に捨て身で挑むお栄(三浦透子)の姿を客の目に焼き付けたのだった・・。
 

by engekibukuro | 2016-11-04 07:53 | Comments(0)  

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