人気ブログランキング | 話題のタグを見る

1月28日(土)M「マクベス」カクシンハン

演出:木村龍之介、作:W・シェイクスピア 翻訳:松岡和子、東京芸術劇場シアターウエスト

 若々しく、意欲的な「マクベス」だった。シェイクスピアの四大悲劇のなかでは、私にはなかなか良い舞台に巡り合うことが少ない悲劇であり、全面的に首肯できるような舞台にまだ巡り合っていない。”きれいは、汚い”々の魔女や、その他有名な見せ場はたくさんあり、その見せ場々を綱渡りのようにつなげてゆく舞台が多くて、マクベス個人そのもの悲劇性が大きく浮かび上がってこないのだ。この舞台の演出も新趣向が数々あり、カクシンハンの意欲を感じさせるものだった。戦いのシーンはのっけから、折りたたみ椅子の開閉を使って、大勢の兵士の戦いを訪仏させ、兵士ら登場人物の衣裳も一見すると下着のような薄物で、真以美扮するマクベス夫人も真っ赤な衣装で断髪だ。そういうアイデアで見せ場を大きく表現して、マクベスを演じる河内大和は皮ジャン姿で演じぬく・・。たいへんな意欲作であることは確かだが、趣向倒れの感じのところもあり、「マクベス」という戯曲の難しさを改めて感じたのだった。だが、カクシンハンのシェイクスピアへのたゆまぬ挑戦は敬意に値する。
・おもろへ。今日は中川君がきて、独り酒をまぬがれた。彼もとうとう定年だそうだ。おお、年月よ!という感しきり・・。

by engekibukuro | 2017-01-29 10:29 | Comments(0)  

<< 1月29日(日) 1月27日(金) >>