2月7日(火)M「たわけ者の血潮」座・高円寺

作・演出:中津留章仁、トラッシュマスターズ
 作者のメッセージ
”2015年7月に上演しました、安保法制決議をタイムリーに扱った「そぞろの民」と同じく、今回の「たわけ者の血潮」も共通したテーマとして「日本の民主主義とは一体何か?」を挙げ、沈黙と協調性、ヘイトスピーチなどの問題を取り上げた作品を創造します。ただ体制を批判するするだけでなく、国民の内面に潜む病理を指摘する。敵は我にあり、それが世界を変える最短にして唯一の思想であり、私の国民に対する民主主義への問いかけなのです。TRASHMASTEASが放つ、渾身の力作を是非この機会に御堪能ださい。”
 たしかに2時間30分の、渾身のデイスカッションドラマだ。ある三代の家族を扱ったドラマ、この一家の祖母は有名な女優だった。その祖母が、晩年大麻の中毒になって、大麻がないと演技ができないという状態になり、それをとりあげられて悲痛な最期を迎える。その祖母を含めて、この一家のことを劇作家の息子が劇化し、上演する。そのことを巡って、娘婿の市会議員を中心に、大麻を合法化する論議が、ひきこもりがちの男の孫から提起されて、議論は日本の憲法が保障しているような本当に自由に今の日本人が生きているかという論議に発展して、現在の新自由主義のもとで、格差社会が蔓延して、隠微な空気を読まなければ生きてゆけない、抑圧国家に日本がなりつつあることを告発している。ほとんど普通の意味で演劇的展開が乏しいのに、2時間30分の充実した時間をもたらす中津留の腕力をまざまざと感じた舞台だった。もう、ほとんど大勢に順応するのに慣れ切ってしまっている自分自身に気が付き、毎日の新聞もちゃんと読み、自分の怠惰を諫め、鼓舞する、そういう気持ちにさせる芝居だった。
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by engekibukuro | 2017-02-08 10:00 | Comments(0)  

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