3月6日(月)S「私はだれでしょう」こまつ座

作:井上ひさし、演出:栗山民也、紀伊国屋サザンシアター
 ”(前略)物語は敗戦後の日本、国としてのアイデンテイテイの喪失の中にありながら、その痛手を誰もが背負って生きいた時代。NHKの「尋ね人」の時間を通して、どれだけの普通の人々の人生が変わってしまったか、それぞれの人生に思いを寄せざるをような悲痛な投書と格闘している人たちの物語である。個人としてのアイデンテイテイを失った若者の再起の兆しを通して、私達日本人としての姿勢を問う作品となっている。初演時にどこか歯切れが悪かったのは、日本人としての姿勢について、あの悲惨な戦争を経てもなお、行ったり来たりしているこの国の未来に対して憂いと迷うべきところがあったからではないかと思えてならない。この「私はだれでしょう」は、そのあとに控えた「東京裁判三部作(夢シリーズ)を連続上演するための一つの大きな試練だったのかもしれない。(後略)
 上記は、こまつ座代表井上麻矢の「前口上」である。この口上で意を尽くしている舞台であった。出演者は、朝海ひかる、枝元萌、大鷹明良、尾上寛之、平埜生成、八幡みゆき、吉田栄作、この芝居が朴勝哲のピアノ演奏にのった音楽劇でもあり、出演者の歌によるアンサンブルが見事だった。
この舞台を観て、朝日歌壇に載った短歌(新聞と九条)「それぞれの戦いし意味につきつめず来
(こ)し戦後なりいまに問わるる」を思い出した。
・3月3日、4日のブログでPカンパニーにより上演された「白い花を隠す」の作者の石原燃さんを中川燃と誤記したことを作者およびPカンパニー様に訂正して陳謝します。
 ・山田君、ご指摘ありがとうございました。
[PR]

by engekibukuro | 2017-03-07 09:55 | Comments(0)  

<< 3月7日(火)M「白蟻の巣」新... 3月5日(日) >>