3月11日(土)M「ザ・ダーク」

作:シャーロット・ジョーンズ、翻訳:小田島恒志・小田島則子、演出;高橋正徳、プロデューサー:綿貫凛、オフイスコットーネ、吉祥寺シアター
 同じ間取りの共同住宅の3軒。第1子の死を乗り越えられない若い夫婦(小林タカ鹿・ハマカワフミエ)。思春期の我が子と半年も会話がない中年夫婦(福士恵二・松本紀保)。ゲイの息子(中山祐一郎)を理解できない老母(山本道子)。この3軒に突然の停電で闇がやってくる。
 この闇の中で、3軒の家で起こる出来事が、同じ間取りの中での3組の出来事なので、複雑に混同して一見ほとんどどこの家族かが不分明になる。その混乱の面白さをなめるように描いた芝居で、へたすると書いている作者に翻弄されるだけになってしまうのを、演出がどう面白く抑制して客に届けるのが勝負の舞台・・。それは異種の演技陣の組み合わせが成功して、目が離せない舞台を作り上げることに成功した。特にゲイの中山と山本の老母の組み合わせが面白い。朝日新聞の劇評を書いた谷岡健彦が書くように「山本の口調には生活感が色濃くにじむ。劇の終盤の”夜明け前がいちばん暗いんだ”という常套句が説得力と新鮮味をもって観客の耳に響くのは、山本のこの声なればこそだろう。」まさにそのとおりだ。
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by engekibukuro | 2017-03-12 07:56 | Comments(0)  

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