4月2日(日)

 「芝居をやっている人は芝居の練習をしなきゃ、見たいの思うじゃない。でも、俺はあんまりそういうことは思わないのね。自分の人間的なもの、生きてきた奇跡みたいなものっていうかな、それが芝居に出るだろうと思っているから。そういう機会を与えてもらえるなら、それで自分でも見てみたいと思う。だから、普段の生活そのものがすべて勉強になっているって言ったらいいんだろうね」
これは「まわり舞台の上で 荒木一郎」(編集:文遊社編集部)のインタビューの言葉のほんのわずかな部分だ・・。1960年代初頭NHK文テレビ「バス通り裏で」での演技が注目されて、そのご役者以外に、歌手として「星に唄おう」が大ヒットシンガーソングライターとして注目され、そのご作曲家、小説家、その他マルチタレントとして、大活躍した荒木一郎への562ページのインタビューと資料集で、中には亀和田武との対談が挿入されている。ほんとうに凄い才能だと思う。荒木は新劇の文学座の女優荒木道子を母に、別れてしまったが、文芸評論家の菊池章一を父として生まれた人だ。
 私はほんのわずかつながりがある。「バス通り裏」の作者の筒井敬介と菊池は慶応大学の同級生で、私の父が共産党の文化部長だったので、二人が我が家に訪れてきたことを覚えている。わたしは劇団東童の子役だったので、東童にいた筒井のラジオドラマに出ていた。とにかく、荒木はこんな人がいるんだと感嘆してしまうような人だ・・。
 ・日経の内田洋一さんから山本健一著「劇作家 秋元松代」AICT賞を受賞したとの電話があった。AICT(国際演劇評論家連盟日本支部)賞はその年の最優秀演劇書に与えられる書籍のこと。去年まで私が選考委員をやっていて、今年から内田さんに交代したのだ。この本は本当に名著で、受賞は嬉しかった・・。
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by engekibukuro | 2017-04-03 08:07 | Comments(1)  

Commented by 山田勝仁 at 2017-04-03 12:14 x
筒井敬介のラジオドラマは「名づけてサクラ」(195
7)、「幻想旅行」(1967)、「婚約未定旅行」(1962)の音源を持っていますが、もちろん江森さんの出たのはずっと前ですよね。

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