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4月6日(木)S「デイファイルド」

作:リー・カルチェイム、翻訳:小田島恒志、演出:鈴木秀勝、シエイテイプロデュース、
DDD 青山クロスシアター
”その男は、アメリカの歴史ある図書館に爆弾を仕掛け立てこもった・・。彼の要求は、「カード目録を図書館委残すことだという。元図書館司書のハリー・メンデルソンは、図書目録がカードから電子システムへ変更されることに憤り、上司へ請願したところあえなく失職。ならば”実力行使”と起爆装置を手元にチラちかせながら、愛する図書館に立てこもる彼は、自らの行動を「価値ある使命」だと公言する。”この芝居は、2006年に初演された二人芝居だ。司書を戸塚祥太、刑事を勝村政信が演じる。
 図書館が電子システムに移る時代の変化に従来のカードシステムを愛するあまり、爆弾を仕掛ける。それを何とか思いとどまらせるように説得する刑事の二人芝居。
 カードという図書館の従来のシステムを愛するあまり、図書館の書籍そのものを爆破するというのは、この男が単にカードに偏執的な男だとしか思えないかもしれない。しかし、彼と刑事との会話から図書館のカードというものが、急激に失われてゆく古き良きものへの哀惜の象徴だということが芝居が進むにつれわかってくる。戸塚が演じる手書きのカードを愛する男のイメージがきちんと残ればこの芝居の価値は成立する。この舞台で、それは成立していた。

by engekibukuro | 2017-04-07 07:32 | Comments(0)  

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