5月6日(土)M「60‘Sエレジー」

脚本:古川健、演出:日澤雄介、劇団チョコレートケーキ、サンモールスタジオ
 60年代、まだ夏は蚊帳が必要だった時代の、蚊帳を作る工場が舞台。主人夫婦、弟と昔からの職人の小さな町工場だ。このこの工場に、集団就職で、会津の貧しい農家から修三がきた。中卒だが、よく働き、暇があれば高校の教科書を読んでいる修三を、子供のいない主人夫婦は大事にして、定時制の高校に入学させる・・。しかし、時代は高度成長期で、蚊帳など使う必要がない建物が増えて、工場はどんどん縮小して、修三はいまでは夜間の大学に行くようになったが、工場は閉鎖する。
 この芝居は、修三が70を過ぎて一人住まいのアパートで自殺し、残された手記によって展開される。修三は、学校に行って、安保闘争で投石して警察につかまったり、社会科学研究会に入って「資本論」を読む。主人夫婦は、修三の向学心が自分たちから離れてゆくのを感じるが、それでも最後まで応援する・・。作者は、”半世紀以上経過した、1960年代、日本の高度成長期。その時代は日本人の生活が一変した時代でした。今の私達の生活の源流にはこの時代があります。しかし、変化の過程で失われたもの、置き去りにされた物が確実に存在します。経済成長という錦の御旗で、無視され打ち捨てられた何ものか。この物語を通して、私はそれを手探りで探ったつもりです。”と書いた。蚊帳社長を演じた西尾友樹を中心に、その時代を懸命に生きた人々を俳優全員が懸命に演じて、日本を振り返る気持ちにさせる芝居としてよくできていて、修三が高齢で、昔の工場のあとのアパートで自殺してしまうことが、何よりこの物語の芯を示す舞台だった。
・おもろ。今日は谷岡健彦さんと、東京工大の若い同僚、それに俳優の下総源太郎さんと飲む。若い同僚は、シェイクスピアの作品の映画化された作品を研究しているという。そして、日本の廃油では中嶋しゅうが好きだという。渋いねえ、我が意を得たりだ・・・。
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by engekibukuro | 2017-05-07 07:54 | Comments(0)  

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