5月8日(月)S 別役実「正午の伝説」

 現代劇作家シリーズ(7)別役実正午の伝説フェステイル D1倉庫
 別役実「正午の伝説」に10団体が参加して、それぞれの解釈で上演する試みだ。
私が観たのは、激弾ショットと劇団820製作所。

 この芝居は、若いアベックと傷痍軍人二人の芝居で、両者は舞台上では一見無関係に進行する。アベックは、男が女をしつこく口説きにかかっていて、それに男の所持金が千円無くなって、それを女が盗んだか無くしたのかという疑いも発生して・・。傷痍軍人の一人は、脱糞を我慢して苦しんでいる。劇団820製作所の舞台は、幕あきに日の丸を燃す。そして、アッベクの口説き話が不首尾に終わって、傷痍軍人の一人が脱糞を我慢している一人ををナイフで殺してくれとアベックに執拗に頼む。アベックの女がそれを引き受けるのだが、ナイフを刺そうとするがすでに死んでいた。従来の舞台ではアベックの話と傷痍軍人の話が分離してしまう上演が多かった。が、この舞台では、脱糞を我慢して天皇の日本に忠誠を示すという異常行為と、天皇の日本から解放されたが、それが虚しいだけの人生を招来した若いアベックが舞台で有機的につながって、この芝居の別役の考えた含意が伝わってきたのだ。日本人が日本という国で何を頼りに生きてゆくか、この別役作品の深さきちんと感じさせてくれた舞台だった。 
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by engekibukuro | 2017-05-09 07:33 | Comments(0)  

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