5月12日(金)M「黒塚家の娘」

作:北村想、演出:寺十吾、シス・カンパニー、シアタートラム

 安達ケ原の鬼婆の話、この芝居は、北村は世阿弥の能「黒塚」をミチーフにしたというが、それをスピノザの哲学でまとめるという風変わりの芝居にした。「なんで、人間はこんなに不完全、未完成なのだろう。全能の神は、そうしてヒトをそういうう風に創られたのだろう」、これを受けて演出の寺十は「乱暴な言い方ですが、僕らはつまり、不完全な戯曲を不完全な役者が演じて不完全なお客さんにみせているのだろうと思う」、その結果、この、風間俊介が演じる若き牧師小洋手治(こようておさむ)が一夜の宿を借りる、趣里が演じる黒塚華南と渡辺えりの演じる黒塚烏鷺(うろ)の家で見たしゃれこうべの群れの話、それら一切の見聞をスピノザの哲学でまとめる、あとからこの家を訪れた高橋克実演じる小洋手の先輩牧師馬浜博士(ばはまひろし)の芝居は、不完全感が横溢した舞台になっていて、それを若いお客が喜んで観ている雰囲気が客席にみなぎっていて、若い主役の風間の邪気のない率直な演技も加勢して、こういう芝居もありだと、納得させたのだった。
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by engekibukuro | 2017-05-13 07:45 | Comments(0)  

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