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6月15日(木)S「これはあなたのもの 1943-ウクライナ」

作:ロアルド・ホフマン、翻訳:川島慶子、演出:鵜山仁、地人会新社、新国立劇場 小劇場
 作者のロアルド・ホフマンは1981年に、ノーベル化学賞を日本の福井謙一と共に受賞した。本作は化学者・ロアルド・ホフマンの自伝的戯曲。かってはポ-ランドであった現在のウクライナに、ユダヤ系ポーランド人として生まれたホフマンは、第二次世界大戦想中、ナチスによる迫害を逃れ、母とともにウクライナ人一家の屋根裏部屋にかくまわれていた。その実体験を元にした芝居だ。戦後アメリカに移住した一家の話として再構成された作品だ。アメリカにわたり、内科医として成功を収めた一家の話として構成されている。芝居の中心は、ウクライナ人の屋根裏で暮らしていた頃の状況を話す母の回顧談だ。同じ状況の芝居「アンネの日記」と違って、一家の財産をウクライナ人に渡しながらの生活だ・・。ナチスドイツ、ソ連、ポーランドに囲まれた複雑な土地であるウクライナは現在でも、その複雑さを残している。この母親を演じたのは八千草薫、息子が吉田栄作。高齢の八千草のそのころの苦しい暮らしを語る語調が明確で、苦しい複雑な暮らしのイメージがふつふつと湧いてきくる演技に感動した舞台だった。
・劇団820製作所から、せんがわ劇場で6月25(プレビュー)、29、30、7月1、2日に上演する「踏みはずし」(Retake)の招待をいただいた。その際に劇団の波田野さんから、私が5月に観た、D1倉庫で上演した別役実「正午の伝説」2本だてフェステイバルでの劇団820製作所の上演と、もう1本の激弾ショットの上演と内容を混同してブログで紹介しているというご指摘をいただいた。同じテキストでも上演の意図は当然相違している。きちんと区分けして紹介しなかったことをお詫びします。

by engekibukuro | 2017-06-16 10:18 | Comments(0)  

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