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7月11日(火)M「子午線の祀り」世田谷パブリックシアター

作:木下順二、演出:野村萬斎、音楽:武満徹
”晴れた夜空を見上げると、無数の星々をちりばめた真っ暗な天球が、あなたを中心に広々とドームのようにひろがっている。ドームのような天球の半径は無限に大きく、あなたに見えるどの星までの距離よりも天球の半径は夢幻に大きく、あなたに見えるどの星までの距離よりも天球の半径はおおきい。・・・・・・・・大空に跨って眼には見えぬその天の子午線が虚空に描く大円を三十八万四四00キロのかなた、角速度毎時十四度三十分で月がいま通過するとき月の引力は、あなたの足の裏がいま踏む地表に最も強く作用する。 そのときその足の裏の踏む地表が海面であれば、あたりの水はその地点へ向かって引き寄せられやがて盛り上がり、やがてみなぎりわたって満々とひろがりひろがる満ち潮の海面に、あなたはすっくと立っている。”「プロローグ」。1979年に「山本安英の会」において、主役の知盛を前進座の嵐圭史でほか能楽の観世栄夫、狂言の野村万作、新劇の滝沢修らによって、宇野重吉の総合演出で国立小劇場で上演された。3時間を超えるこの上演を観ている。この戯曲は山本安英のために書かれた戯曲で、山本の演じた影身の戦乱の渦の中でのひっそりした姿をいまでもありありと覚えている。今回は八度目の上演だ。知盛を演じたのはむろん野村萬斎、今回印象的だったのは九郎判官義経を演じた成河(そんは)、知盛の萬斎と拮抗して舞台を盛り上げ、この作品の素晴らしさを示すのに貢献したのだ。

by engekibukuro | 2017-07-12 10:09 | Comments(0)  

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