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㋆15日(土)★「リア王」★★「ジョンオズボーンの魅力」谷岡健彦

★作:W・シェイクスピア(小田島雄志翻訳より)、脚本・演出:山崎清介、子供のためのシェイクスピアカンパニー、あうるすぽっと
黒マントとヘルメットの役者たち、今回の「リア王」は再再演だ。ただ、今回はどうしたわけか、常連の伊沢磨紀が出演していない。リア王は福井貴一、ケントと人形遣いは山崎清介、グロスターは戸谷昌弘とよくできた舞台なのだが、ただでさえ重い芝居の「リア王」が、伊沢がなにかの役ででていれば、すこし風とうしがよくなり、少し違った舞台になっただろうなとつい思ってしまうのは致し方ない。
★★谷岡さんの「ジョン・オズボーンの魅力」の90分のレクチャーは、現在上演中の新国立小劇場「怒りを込めてふり返れ」のセットの上で行われた。ジョン・オズボーンの衝撃的なこの芝居が出現した当時の英国の演劇事情を語る。当時主流は英国中産階級の客を相手にするノエル・カワードやテレンス・ラテイガンだったこと、さらに時をおなじくしてサミエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」が書かれ、初訪英したブレヒトのベルリーナ・アンサンブルの「肝っ玉母さん」の上演があったことなどの話と、カワードやラテイガンが同性愛者だったこと、「怒りを込めて・・」のジミーとクリフの友情にも、その片鱗があることなど、興味深い話があり、”揺りかごから墓場までの”英国の福祉社会での若者のの在り方などに思いをはせられる講義だった。それにしても谷岡さんが、こんなに映像を使っての話が上手なのにおどろいた。あっという間の90分だった。


by engekibukuro | 2017-07-16 10:47 | Comments(0)  

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