10月10日(火)

トーマス・マン・渡辺一夫「五つの証言」(中公文庫)を読を読んだ。この本は渡辺がトーマス・マンの書いたものを自分の専門のフランス五からの重訳で訳したものが主体になっている。五つの証言は、アンドレ・ジードの「一、トーマス・マンの最近の文章を読んで」の序文があり、「二、ボン大学への公開状」「三、ヨーロッパに告ぐ」「四、イスパニヤ」「五、キリスト教と社会主義」。それと渡辺のエッセイ「寛容について」「文法学者も戦争を呪詛し得ることについて」「人間が機械になることは避けられないものだろうか?」それに中野重治・渡辺一夫往復書簡が続き、最後に「寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容になるべきか」、最後に山城むつみの解説「第六の証言」がつく。渡辺は東京大学のフランス文学の教授で、大江健三郎の先生だった。ラブレーの「ガルガンチュワ物語・パンダグリユエル物語」の訳者だ。この文庫本は、小説家の坪内祐三との対談で小説家の中原昌也が読んでいると言っていたし、同じ小説家の福永信が朝日新聞の文庫案内で推奨していた。私は年寄りだから若い時このような本を読んでいたが、今の若い文学者が読んでいて、中公文庫で出したことは、今の時代への不信から
のものなのだろう。今月の中央公論の広告に「21世紀の勉強論 何故いま教養ブームなのか」という文章が掲載されいる(未読だが)、時代は底のほうから変化してくる一つの希望の兆しがあると思った。

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by engekibukuro | 2017-10-11 09:56 | Comments(0)  

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