10月13日(金)S「奈落のシャイロック」名取事務所 

作:堤春江、演出:小笠原響、プロデューサー:名取敏行、小劇場B1
このところ上演作品が、読売演劇賞にノミネイトされたり、快進撃の名取事務所は、今回は堤春江の書き下ろし作品だ。1907年(明治40年)の明治座の出来事。この年歌舞伎俳優による初めてのシェイクスピア作品が上演された。明治座の座主二代目市川左団次主演、坪内逍遥訳、松居松葉演出の「ベニスの商人」だ。さらに九代目市川団十郎の娘市川旭梅が女優としてポーシャを演じるのだ。これは左団次が松井と途にヨーロッパに行って、各国のシェイクスピアの舞台を観て、教えられた成果としてもくろんだ上演だった。ところが、当時の茶屋制度に阻まれ、上演が妨害され上演不能になってしまった。初めてチケットを売って席を定める現在のような制度を、この公演で採用したのだ。これではそれまでのご祝儀と酒食で持っていた茶屋制度は持たない。それでこの公演、客を巻き込んだ暴動に発展してしまった。左団次、松居、旭梅は奈落に避難する。観劇制度の改革の困難がいかに大変だったか如実にわかる芝居で、現在までの観劇制度の過程に思いを馳せる舞台になっていた。左団次を千賀功嗣、松居を吉野悠我、旭梅を森尾舞が演じたが、別の形で歌舞伎の舞台に出たことがある女役者市川久女八を演じた新井純が快演だった.終演後、谷岡さんと、谷岡さんの大坂時代の友達の日本女子大の教授の山口さん、助教の鴨川都美さんと台湾料理屋で歓談、この4人の歓談は名取事務所の芝居のあとの慣例なっていて、とても楽しい時間なのだ。

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by engekibukuro | 2017-10-14 09:55 | Comments(0)  

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