11月9日(木)★M「プライムたちの夜」★★S「桜の園」

★ジョーダン・ソーダン、翻訳:常田景子、演出:宮田慶子、新国立劇場小劇場
”とあるいま居間、85歳のマージョリー(浅丘ルリ子)が30代のハンサムな男性と会話している。だが、二人の思い出話に及ぶと、その内容に少しずつ齟齬が生まれる、途惑うマージョリー。実はその話し相手は、亡き夫の若き日の姿に似せたアンドロイドだった。”その夫ウオルター(笹川和正)のアンドロイドはプライムと呼ばれる。これは薄れゆくマージョリーの記憶をなんとかつなぎとめようとする娘夫婦のテクノロジーだった。そのマージョリーが死ぬと、今度は彼女のプライムが娘テス(香寿たつき)と話をし、そのテスが死ぬとテスのプライムと夫ジョン(相島一之)が話をする。この劇はどんなに精巧に作られている人工知能のアンドロイドでも、生身の人間ととは微妙に異なり、その少しの違和感が、生身の人間の生のはかなさを、もろさをが逆に感じられるということを実感させる、よくできたユニークな舞台だった。マージョリーを演じた浅丘が85歳の老婆を演じて、舞台を静かに輝かせていた・・・。
★★作:アントン・チェーホフ、演出・脚色・美術:串田和美、翻訳・脚色:木内宏昌、シアター・コクーン
この桜の園、ラフネースカヤ夫人はリューバというファーストネームで呼ばれるような、串田が「桜の園」のテキストを解体して、他のチェーホフの短編を入れて、全体をシャッフルした、遊び心満載の、まことにユニークな「桜の園」だった。音楽も踊りも入る賑やかな舞台だが、「桜の園」の本線はきっちり埋め込まれていて、ワーリャとロパーヒンはやっぱり結ばれることなく終わるのだ。「桜の園」もこういう形で上演できるということ、ちょっと驚きだった。

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by engekibukuro | 2017-11-10 10:01 | Comments(0)  

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